令和2年度3次補正予算案(経産省)が発表!地域・中小企業等関連施策のポイントを解説
令和2年度第3次補正予算案が2020年12月15日に閣議決定され、経済産業省関係資料が公表されました。これらの施策の中で、地域や中小企業に関連する施策をピックアップしてお伝えします。M&A・事業承継関連では令和2年度第1次補正予算と同様、M&A仲介会社への支払い手数料等が対象となるメニューも計上されています。
(参考資料)経済産業省「令和2年度第3次補正予算案(経済産業省関連)の概要」
「地域」「中小企業向け」をピックアップ!令和2年度第3次補正予算案(経済産業省関連)
「令和2年度第3次補正予算案(経済産業省関連)の概要」の中から、「地域」「中小企業」に関連する施策をピックアップしてお伝えします。各施策に付したコメントは、あくまで本記事筆者の感想となりますので、制度詳細の情報を希望される方は、施策を担当する組織へ直接ご確認ください。
中小企業向けの施策については、以下のとおりパンフレットが公開されています。
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/2020/201223yosan.pdf
中小企業等事業再構築促進事業
予算総額が1兆円を超える大型予算です。「申請前の直近6か月間のうち、売上高が低い3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業」を対象に、経済産業省が定める「事業再構築指針」に沿った事業計画を「認定支援機関等」と策定した中小企業等が対象となります。
補助金額も中小企業の通常枠の場合、下限100万円~上限6,000万円とかなり幅がある補助金です。「卒業枠(400社限定)」と「グローバルV字回復枠(100社限定)」と、一定の要件を満たすと上限があがる仕組みや、中堅企業向けの枠を用意する等、細かく分かれていることも特徴です。「事業再構築のイメージ」からも、小売店舗や製造業の例等、様々な活用例が記載されています。
本補助金のポイントは、「事業再構築指針」がどのような内容になるか、という点と、認定支援機関等と連携して、計画を策定する形になっており、事前に認定支援機関等に相談する必要がある点です。また、実際に利用する場合、コロナにより景況悪化している企業が対象のため、補助金の事前払いが可能か等、キャッシュフローの側面も留意する必要があります。例示案件からシステム構築や、設備投資も対象になるように読めますが、実際にどのような内容が補助対象経費になるか、上記のような補助金に係る事務コストがどんなものになるかは、公募要領で確認する必要があります。
(参考)中小企業庁「認定経営革新等支援機関」
中小企業生産性革命推進事業の特別枠の改編
既に令和2年度一次・二次補正案で計上されている「ものづくり補助金」「持続化補助金」「IT導入補助金」の特別枠を「新特別枠=低感染リスク型ビジネス枠」に改編し、拡充するとのことです。それぞれ上限・補助率が拡充される形になっており、コロナ対策を取る場合において、拡充内容が措置されます。現在公募中の各補助金の概要は以下をご参考ください。
(参考)
・「ものづくり補助金」を解説!設備投資を検討する中小企業者向け
・「持続化補助金」を解説!販路開拓を目指す小規模事業者向け
・「IT導入補助金」を解説!ITツールを導入したい中小企業者向け
事業承継・引継ぎ推進事業
事業承継を契機に新事業に取り組む者を支援する「事業承継補助金」と、経営資源を第三者に引き継ぐ際の費用を補助する「経営資源引継ぎ補助金」が一つとなり、「事業承継・引継ぎ補助金」となりました。こちらの補助金は令和3年度概算要求でも「事業承継・世代交代集中⽀援事業」の中で「事業承継補助⾦」として計上されていました。補助金が一体となることで、それぞれの要件や申請内容が変わるのかという点と、補正に計上されることで本予算はどうなるのかが注目です。
なお、令和2年度第1次補正予算で計上された「経営資源引継ぎ補助金」については、1次公募の採択率79.7%(買い手支援型:627件の申請のうち、500件の交付決定/売り手支援型:739件の申請のうち、589件の交付決定)、2次公募の採択率79.7%(690件の申請のうち、550件交付決定)となっており、非常に高い採択率であり、当社がご支援した先も全て採択されました。上限と比較して予算規模も大きいですが、採択率が変化するかも気になるポイントです。
(参考)
・二次公募が開始!「経営資源引継ぎ補助金」について解説!
中小企業再生支援事業
財務上の問題を抱える中小企業者等に対し、窓口相談や金融機関との調整を含めた再生計画の策定支援を行う同制度です。イメージにあるとおり、「特例リスケジュール制度」開始の4月から一時相談対応件数が増加しており、今後、いわゆる再生案件も増加する可能性があり、そのための予算措置であると見込まれます。
Go To 商店街
「Go To」の名前が付く事業には賛否両論ありますが、本補助金は感染防止対策を徹底しながら、商店街がイベントや商材開発・プロモーションを行うための補助金となります。
サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金
一次補正でも計上されていた工場立地向けの補助金が再び登場です。前回と同様、生産を海外に依存しており、国内に工場を設置したい場合や、国⺠が健康な⽣活を営む上で重要な製品等の⽣産拠点等を整備する場合に利用できます。予算額も大規模であり、立地関係の補助金は少ないことからも、大規模な設備投資を検討している方向けの補助金です。
海外サプライチェーン多元化支援事業
「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」が国内立地補助だったのに対し、こちらは海外で生産拠点を多元化するための補助金となります。国内立地促進と比較して規模は小さいながらも、海外生産拠点への補助金はあまり例を見ないので、海外で生産されている企業は検討してもよいかもしれません。
研究開発型スタートアップ支援事業
こちらはこれまでも何度か計上されていた研究開発を伴うスタートアップ向けの補助事業となります。
おわりに
令和2年度第3次補正予算案から、「地域」「中小企業」に関連しそうな施策をピックアップしました。M&A・事業承継関連では、採択率の高かった「経営資源引継ぎ補助金」も再び盛り込まれており、地域のM&Aの加速化が予測されます。その他、ものづくり補助金のようなこれまでの制度の拡充だけではなく、「中小企業等事業再構築促進事業」のように、大規模な補助金も見受けられます。加えて、国内立地だけではなく、海外生産拠点に関する補助金もあり、国内・海外の設備投資の促進が予測されます。いずれも現時点ではまだ「案」であり、詳細はそれぞれの公募要領の内容を確認する必要がありますので、ご留意ください。
>>M&Aによる「事業承継」を検討される方はこちらからお問合せください。
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クレジオ・パートナーズ株式会社のご紹介代表者 :代表取締役 李 志翔
所在地 :広島市中区紙屋町1丁目1番17号 広島ミッドタウンビル3階
設立 :2018年4月
事業内容:
・M&Aに関するアドバイザリーサービス
・事業承継に関するアドバイザリーサービス
・資本政策、企業再編に関するアドバイザリーサービス 等
URL :https://cregio.jp/
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