fbpx

コラム COLUMN

支援制度

令和3年度補正予算案(経済産業省)が発表!地域・中小企業等関連施策のポイントを解説

令和3年度補正予算案が2021年11月26日に閣議決定され、経済産業省関係資料が公表されました。公表された施策の中で、「地域」「中小企業」に関連する施策をピックアップして、分かりやすくお伝えします。M&A・事業承継関連では昨年度と同様、「事業承継・引継ぎ補助金」が計上されています。

(参考資料)経済産業省「令和3年度経済産業省関係補正予算案の概要
※補正予算のリーフレットはこちらからご覧頂けます。




気になる中小企業向け支援施策は?令和3年度補正予算案(経済産業省関連)

令和3年度経済産業省関係補正予算案の概要」から、「地域」「中小企業」に関連する施策をピックアップしてお伝えします。各施策に付したコメントは、あくまで本記事筆者の感想となります。制度詳細の情報を希望される方は、施策を担当する組織へ直接ご確認ください。

事業復活支援金


各メディアでも事前に報道されていた「250万円」の事業です。対象となるのは、「新型コロナの影響で2021年11月~2022年3月のいずれかの月の売上が50%以下に落ち込んだ事業者」であり、支援金額は売上高に応じて異なります。売上減少率が50%以上の場合、年間売上高が1億円以下の場合は100万円、1億円超~5億円以下の場合は150万円、5億円超の場合は250万円となっています(売上減少率が30~50%の場合、年間売上高が1億円以下の場合は60万円、1億円超~5億円以下の場合は90万円、5億円超の場合は150万円)。

予算額は2兆8千億円と巨大ですが、支援金額が少額になっており、コロナで傷んだ財政状況を建て直すのは難しいかもしれませんが、いわゆる補助金ではなく、「給付金」という形での事業となりますので、売上高が減少した事業者にとっては要チェックな事業です。中小企業だけでなく、フリーランスを含む個人事業主も対象となるところもポイントです。

日本政策金融公庫を通じた資金繰り支援

新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業に対して資本とみなすことができる資本性ローンを供給する制度です。資本性ローンとは、長期間元本返済がないため、金融機関の債務者評価において自己資本とみなすことが可能とされています。対象が「スタートアップ」「中小企業」となっておりますので、スタートアップの方にも利用できる可能性のある制度となります。

中小企業向け事業再編・再生支援事業

中小企業基盤整備機構や、官民連携ファンドを通じた支援を行う事業です。事業承継・事業再構築・事業再編等を目的とした「中小企業経営力強化支援ファンド」と、中小企業の再生支援を目的とした「中小企業再生ファンド等」に分かれています。

省エネルギー投資促進支援事業費補助金

エネルギー関係であり、中小企業支援制度とは少し離れて見えますが、「空調」「業務用冷蔵庫」「射出成型機」等を省エネルギー性能の高い設備に更新する場合に活用できる補助金です。工場を保有している中小企業者や、上記施設の工事会社にとっては、知っておいて損はない制度です。

イベントワクワク割

ネーミングのインパクトに心を打たれました。イベント・エンターテインメントのチケットに対する割引を支援する制度です。前年度予算を踏まえ、ワクチン接種者又は検査陰性者を支援対象とするとしています。

創薬ベンチャーエコシステム強化事業

ワクチンの日本国内での開発・生産を支援するための制度となっています。国が認定したVC(ベンチャーキャピタル)の出資を受けている創薬ベンチャーに対して、開発費用等を補助する形となります。500億円というそれなりの規模であることから、どのような成果が出るのか気になる事業となります。

地域の技術シーズ等を活用した研究開発型スタートアップ支援事業

NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)を通じたスタートアップ向け支援の施策です。タイトルに「地域の」とついたところが気になりますが、シード向けの実用研究フェーズの場合、上限2,000万円であり、ミドル・レイター期へ移行を目指す場合、上限2億円となっており、活用できるスタートアップにとっては注目すべき内容となっています。

中小企業等事業再構築促進事業

昨年度非常に有名になった、いわゆる「事業再構築補助金」が、今回の補正予算でも計上されています。予算額は6,123億円と前回の1兆1,485億円と比較すると減少していますが、それでも大きな規模となります。「売上高減少要件」や「事業再構築指針に沿った事業計画の作成」については、前回の事業再構築補助金を踏襲していますが、「通常枠」に加えて、「最低賃金枠」「回復・再生応援枠」「大規模賃金引上枠」「グリーン成長枠」といった枠が用意されており、新しい枠組みも設定されています。要件が複雑で読み解くのが難解になりそうな様子もあり、事務手続きの煩雑さ、事業スピードの鈍化等、補助金を利用することのメリット・デメリットを検討した方がよいかもしれません。

中小企業生産性革命推進事業

「ものづくり補助金」「持続化補助金」「IT導入補助金」といった補正予算常連の人気補助金がパッケージ化された事業です。今回の補正では、事業承継を通じた新規事業や、M&Aの際の専門家活用費用を支援する「事業承継・引継ぎ補助金」もパッケージに組み込まれており、同補助金がロングセラーになる可能性を感じました。

「もの補助」の場合は、「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」があり、「持続化補助金」の場合は「成長・分配強化枠」「新陳代謝枠」「インボイス枠」等があり、政策の意図を組んだ枠組みを用意することで、それぞれ補助上限がアップさせ、政策を推進する様子が窺えます。

「事業承継・引継ぎ補助金」については、補助上限が150~600万円となっており、令和3年度予算事業や、前回の補正予算からも上限が下がっている可能性がありますので注意が必要です。

新たな学び直し・キャリアパス促進事業

大企業人材の中小企業・スタートアップへの兼業副業・出向等を支援する補助金が盛り込まれている施策です。大企業⇒スタートアップはこれまでもありましたが、対象に中小企業も明記された点が画期的でした。成長意欲のある中小企業は人材不足も大きな課題であるため、大企業人材を上手く活用することにより、新しい未来を拓く可能性を感じました。

おわりに

令和3年度第補正予算案から、「地域」「中小企業」に関連しそうな施策をピックアップしました。

新型コロナウイルスにより痛手を受けた中小企業を下支えするような施策もあれば、これまでのメニューの中に「グリーン」「デジタル」「成長」「賃上げ」等の枠をつくることで政策を後押しするような施策も見受けられました。前回の新型コロナウイルスの影響が大きかった年の補正予算と比較して、大型の国内立地・設備投資支援については計上されていませんが、「カーボンニュートラル」や「デジタル田園都市国家構想」等、新政策の意向を汲んだ結果であると見て取れます。

地域中小企業に関連した個別の施策でお伝えすると、「事業再構築補助金」については、今回の補正予算でも計上されておりますが、前回が使い勝手や制度の複雑さを指摘する声もあり、補助金を活用した方がよいのか、しっかりと判断する必要があります。「もの補助」「持続化」「IT導入補助金」といった3点セットは引き続き計上されています。M&Aでも活用できる「事業承継・引継ぎ補助金」については、上限が抑制されながらも、上記3点セットと同じパッケージに盛り込まれている点が気になりました。

いずれも現時点ではまだ「案」であり、詳細はそれぞれの公募要領の内容を確認する必要がありますので、ご留意ください。今後の予算事業の動向を知るための一つとしてご参考ください。


>>M&Aによる「事業承継」を検討される方はこちらからお問合せください。

>>M&Aによる「買収」を検討される方はこちらからお問合せください。




クレジオ・パートナーズ株式会社のご紹介代表者 :代表取締役 李 志翔
所在地 :広島市中区紙屋町1丁目1番17号 広島ミッドタウンビル3階
設立  :2018年4月
事業内容:
 ・M&Aに関するアドバイザリーサービス
 ・事業承継に関するアドバイザリーサービス
 ・資本政策、企業再編に関するアドバイザリーサービス 等
URL  :https://cregio.jp/

M&A・事業承継について、
お気軽にご相談ください。