
帝国データバンクは2020年「全国社長年齢分析」を公表しました。その結果、日本の社長の平均年齢は60.1歳となり、調査開始以来初めて60歳を超えることが明らかになりました。経営者の高齢化が全国的な傾向として一層鮮明になったといえます。
本記事では、2020年の調査結果に加え、過去データを振り返りながら全国の社長年齢の推移を整理し、さらに中国・四国地域における特徴や動向についても詳しく解説します。
目次
記事のポイント
- 2020年の社長平均年齢は60.1歳、全国的に上昇傾向。
- 業種別では不動産業(62.2歳)がトップ、全体的に高齢化が進む。
- 年代別では30代以下の社長は3.57%。若手社長の輩出が課題。
社長平均年齢は60.1歳、調査開始以来初の60歳超え
帝国データバンクが公表した2020年の社長の平均年齢は60.1歳であり、調査開始以来初の60歳超えとなりました。以下のグラフからも分かるとおり、社長の平均年齢は年々上昇傾向であり、全国的に経営者が高齢化していることが分かります。

(出典)帝国データバンク「全国社長年齢分析」
以下は、調査結果の都道府県ごとの社長の平均年齢をマップに落とし込んだものです。色が濃くなる程、年齢が高くなりますが、地域差はあるものの、全体的に色が濃くなっており、この30年間で全国的に社長の平均年齢が上昇していることが分かります。

(出典)帝国データバンク「全国社長年齢分析」データを元に当社で加工
業種別でも全体的に年齢は上昇、トップは不動産業の62.2歳
公表されている過去6年間分のデータを元に、業種毎の社長平均年齢の推移をグラフにまとめました。直近2020年において平均年齢が最も高いのが不動産業の62.2歳であり、次いで製造業の61.3歳、卸売業の61.0歳となっています。
比較的若い平均年齢となっているのはサービス業ですが、それでも過去6年間で平均年齢が上昇していることが分かります。

(出典)帝国データバンク「全国社長年齢分析」の2015~2020年の各データを元に当社で加工
30代以下の社長は3.57%、70代社長の割合が増加傾向
公表されている過去6年間分のデータを元に、年代別社長の割合の推移をグラフにまとめました。30代以下の社長の割合は2020年時点で3.57%であり、年々減少傾向となっています。
40代社長は一時期増加傾向でしたが、微減傾向となっています。50代社長が増加傾向である一方、60代社長は減少傾向であり、70代社長においては2015年の15.2%から5.1%上昇し、20.3%となっています。

(出典)帝国データバンク「全国社長年齢分析」の2015~2020年の各データを元に当社で加工
中国・四国地域の社長の平均年齢は60.4歳
2020年の中国・四国地域の社長の平均年齢は以下のとおり、高知県(61.6歳)、島根県(61.5歳)と高く、岡山県(59.4歳)、愛媛県(59.9歳)と低くなっていますが、平均年齢は60.4歳であり、全国平均よりも若干高くなっています。

(出典)帝国データバンク「全国社長年齢分析」データを元に当社で加工
おわりに
帝国データバンクの「全国社長年齢分析」からは、全国的に社長の平均年齢が上昇している現状が明らかになりました。特に中国・四国地域においても全国平均を上回る傾向が見られ、経営者の高齢化は深刻な課題となっています。一方で、30代以下の若手社長の割合はわずかであり、世代交代の遅れや後継者不足が今後さらに顕在化する可能性があります。
このような状況は、事業承継の円滑化やM&Aの活用を通じた経営の世代交代がますます重要になることを示しています。社長の平均年齢の上昇を単なる数字として捉えるのではなく、地域経済の持続的な発展に向けて、どの世代が次の担い手となるのかを見据えた具体的な取組みが不可欠です。
クレジオ・パートナーズ株式会社広島を拠点に、中国・四国地方を中心とした地域企業のM&A・事業承継を専門に支援しています。資本政策や企業再編のアドバイザリーにも強みを持ち、地域金融機関や専門家と連携しながら、中小企業の持続的な成長をサポートしてきました。補助金や制度活用の知見を活かし、経営者に寄り添った実務的な支援を提供しています。
URL :https://cregio.jp/
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