銀行では気づけなかった経営者の悩み、M&A・事業承継で地域の未来に貢献|佐藤 龍弥

香川県丸亀市生まれ。
大学卒業後、百十四銀行に就職。主に法人向けの融資、関西でのリクルーター業務の経験を経て、2025年4月に当社に参画。現在は、東京支店に勤務し、M&Aコンサルティング業務を担う。
苦労を超えて自信に繋ぐ、地銀としてファーストキャリア
ダサいままでは終われない、苦しみを乗り越え新人賞
クレジオ・パートナーズに入社した自分を一言で表現すると、「生き生きと仕事している」です。
私は2025年4月にクレジオ・パートナーズに入社し、現在は東京支店にM&Aコンサルタントとして勤務しています。香川県丸亀市出身で、最初のキャリアは2017年に百十四銀行に入行しました。銀行では、最初は三豊市の仁尾支店に勤務しました。業務としては最初の個人向けのローンやクレジットカードを取り扱い、徐々に法人営業も担当するようになりましたが、ここではとても苦労しましたね。
社会人としても初めてだったので、事務的なミスも多かったです。地域金融機関あるあるだと思いますが「お客様である社長に育ててもらう」という文化だったので、何を話せばいいか分からないまま、社長の所へ飛び込んで、様々なことを教えて頂きました。当時、投資信託の月次目標をどうしても達成できず、精神的に追い込まれてしまい紫雲出山という山に登り、このまま飛び降りようかなと考えていました。思いとどまって、勇気を振り絞って、その日の朝に断られた社長のところに再度お邪魔したところ「佐藤くんが、そんな顔するんだったら契約するよ」とおっしゃいました。今振り返ると、とんでもないですが、その当時から地域の経営者の皆様に支えられていました。
「このまま終わるのは、ダサくないか」そう思って、何か爪跡を残したいと思い、がむしゃらに頑張りました。その結果、2年目で、銀行でもその年に一人しか選ばれない「新人賞」を受賞することができました。新人賞は、入行1-3年目の社員が対象で、総合的な支店で成績優秀者を表彰する制度です。一時期は、辞めようか悩んでいましたが、組織から認められることで、もうちょっと頑張ろうと思うようになりました。
その後、2021年2月~9月までは、期間限定で関西地区の新卒向けのリクルーターを担当しました。大阪支店に常駐し、百十四銀行に関心を持って頂いた香川県にご縁のある学生に電話してアポイントを取り、百十四銀行で働く魅力をお伝えする業務でした。この時の一番の学びは、当時の人事部長から「常に謙虚でありなさい」と言われたことです。謙虚な姿勢がないと、成長が止まってしまうと言われ、若い学生の皆様を相手にしても、尊重して耳を傾け、学ぶ姿勢で臨みました。最終的には、「佐藤さんが、他社の人事担当者より自分のことをしっかり考えてくれたから、百十四を選びました」と言ってくれる内定者も出てくるようになりました。謙虚な姿勢でいることは、今でも気を付けています。

リクルーターを経て、地銀の本当の楽しさを教わる
リクルーターを終えて、2021年9月からは兵庫県の加古川支店に勤務しました。加古川支店での勤務が、私の銀行員人生で一番輝いていた時代だと思います。当時の支店長が、トップ営業マンかつ知識も豊富で、営業も本部業務も両方できるスーパー銀行員でした。その分、メンバーである行員に求められるレベルも高かったですが、営業のノウハウや心構えを学び、銀行員の営業を心の底から楽しいと思えるようになりました。もちろん、苦しかったこともありますが、部活みたいな楽しさがありました。お客様も魅力的な経営者が多かったです。ここでも、頭取特別表彰を受賞しました。私は転職した今でも百十四銀行が大好きです。この加古川支店勤務時代があったからこそ、自信を持ってそう言えます。支店長の口癖だった「スピードこそ最大のソリューション」という考え方は、今でも受け継いでいます。当時の仲間は転職した後も連絡を取り合っていますし、私の転職を最後まで引き留めてくれたのも、この時の支店長でした。目の前に立つと、身震いしてしまいますが、それでも心の中では大好きな上司の一人です。
加古川支店勤務を終え、2024年4月から東京支店へ異動となりました。百十四銀行は、人口減少時代を見越して、時代に先駆けて香川県内だけではなく、首都圏にも法人営業を展開していたので、香川県にご縁がある企業を中心に法人営業を担当していました。ただ、これまでの地域で金融マンをやっていた時代と違い、クライアントがオーナー経営者ではなく、上場企業を担当することも増えたので、お相手が社長ではなく、最終決裁の権限を持っていない部長・課長であることも多くなりました。慣れない業務や、手触り感のなさに、「この仕事は本当に自分じゃないとできないのかな」と疑問に思うようになりました。これが転職を考えるきっかけでもありました。
銀行時代に気づいた経営者が言えない悩み、地域に貢献する仕事とは
加古川支店時代に、M&Aについて興味を持つきっかけがありました。当時、仲良くして頂いた社長から、「佐藤さんだけに相談したいことがある」と、急に別室に呼ばれました。「支店長にも、本部にも言わないで欲しい、佐藤さんだから話したい。実は廃業を考えている」と相談されました。よくよく話を聞くと、後継者候補はいるものの、まだ学生であり後を継ぐか分からず、為替や時代の変化に大きく影響を受ける業界なので、先行きの不透明感が高まる中で、事業を継続していくのが厳しいとのことでした。「なぜ、僕だけなんですか?」と聞いてみたところ、銀行という組織に相談してしまうと、まだ悩んでいる段階にも関わらず、話が独り歩きして、融資継続が難しいと判断されることを恐れたとのことです。改めて「事業承継は銀行には相談しづらい」と実感しました。私の方から「廃業ではなく、M&Aという選択肢もありますよ、、うちの銀行は事業承継の話をして融資継続が難しいと判断することはありません。」と説明した上で、本部にも伝え、M&Aの可能性を検討し始めました。現時点で結論はまだ出ていないようですが、M&A・事業承継を身近に感じた出来事でした。
このようなきっかけもあり、東京支店勤務で、将来の方向性に悩む中、M&A・事業承継の業界へチャレンジすることを考え始めました。広島に住んでいる高校時代からの友人にも相談したところ、「クレジオ・パートナーズという資本政策コンサルティングの会社がある。興味があるなら紹介しようか?」と言ってくれました。正直、最初はクレジオに全く興味はありませんでした。「聞いたことないし、その会社、大丈夫なん?自分は広島には縁もゆかりもないし・・・」と言いましたが、せっかくの友人の紹介なので、話だけでも聞いてみようと思い、M&A事業部の取締役を務める再東弘喜さんと面談することになりました。

弘喜さんとの面談を通じて、クレジオで自分の働く姿が想像できるようになりました。銀行員時代の営業は好きだし、地域に貢献したい、地域のオーナー経営者の役に立ちたいという気持ちがある。クレジオの考え方は、自分の考えに近いと共感しました。M&Aの会社なのに、ゴリゴリとテレアポで営業をしていないという点も意外でした。銀行員時代に培ったスキルを活かし、キャリアアップした上で、オーナー経営者の役に立ちたい。中四国地域が拠点なので、いずれ香川に戻りたいという要望も叶えられる可能性がある。そう考えた時、クレジオいいなと思いました。弘喜さんも、無理に進める訳ではなく「クレジオだけじゃなくて、他のM&A会社も見た方がいいよ。クレジオとして伝えられることは全部お伝えするので、後は佐藤さんが判断してください。」と言ってくれました。
その話を受け、実際にクレジオ以外にも2社面接を受け、内定も頂きました。いずれも自分の経験をご評価いただき、様々なキャリアの選択肢も提案頂きましたが、私がなぜ銀行員を辞めてまで、新しい道を進むのかを考えた時、銀行員時代の専門性を活かした上で、地域に貢献したいという気持ちを真っすぐぶつけられるのはクレジオだと思い、クレジオを選びました。
加古川支店時代の支店長は、最後まで引き留めてくれました。「その仕事は銀行ではできないんか?辞めてまでやる意味は何だ?銀行でチャレンジしてからでも決断するのは遅くないんじゃないか?将来的に考えて、銀行の方がキャリアの選択肢の幅は広がるんじゃないか」と、わざわざ東京にも足を運んで、相談に乗ってくれました。最終的には「佐藤が幸せになるんならそれでいいわ、いつでも戻ってこい」と背中を押してくれました。改めてお伝えしたいのですが、今の自分があるのは、百十四銀行と尊敬する上司のお陰です。
クレジオの面接では、弘喜さんだけじゃなく、東京支店常駐のM&Aコンサルタント 見目さん、代表の李さんとも面談しました。弘喜さんは、どんな情報も嘘偽りなく、フランクにお話していただき、この人について行きたいと思いました。見目さんは、「できる人オーラ」がすごかったですね(笑)。見目さんからも、包み隠さずお話頂き、この人と一緒に切磋琢磨できるのは楽しいかもしれないと思えました。
最後に李さんですが、李さんは、常に学ぶ姿勢や向上心に驚きました。私がクレジオを創業した理由を聞くと、前職では役職も実力もあり、どこか安定を感じる中で、自分はもっと苦労しないといけないと感じたからだとお答え頂きました。私自身も、銀行時代に最初は苦労したものの、賞を受賞し、キャリアが積み上がる中で、なんとなく自分の将来が思い描けるような気がしていました。「それだと人生面白くないんじゃないか?」と心の中で、モヤモヤする自分と、李さんの「苦労しないといけない」という言葉が重なり、クレジオ・パートナーズでのチャレンジを決めました。
チームで顧客に向き合う、案件推進を通じて経営者に貢献
M&Aを推進、一丸となったお客様に向き合うクレジオの企業文化
クレジオ・パートナーズで、現在はM&Aコンサルタントを担っています。最初は同行からのスタートでしたが、現在は案件推進者として、萩原さん、眞﨑さん、弘喜さん、酒井さんにサポートして頂きながら取り組んでいます。お客様との初回面談、決算関係資料の受領、業務委託契約の締結、IM(企業概要書)の作成、トップ面談、意向表明書の受領といった一連の流れは経験できました。成約まで至る案件はこれからですが、徐々に流れを掴んできています。案件推進だけでなく、一緒に経営者をサポートするビジネスパートナーの拡大等、ネットワークを広げることにも積極的に取り組んでいます。
クレジオのメンバーと働いた感想は、「全員が“地域経営者の役に立つ”という同じ方向を向いて進んでいる」ということです。なので、いい意味でも、悪い意味でも、一緒に働いている人には興味ないのかもしれません(笑)。目的が合致していれば、いちいち伺いを立てることなく、自由にやらせてくれる、大きく裁量を任せてくれる文化だと感じます。また、自分の案件だけでなく、他のメンバーの案件も手伝うという点に驚きました。買手企業候補に悩んでいると、自分のネットワークを通じて紹介してくれたり、たくさんのアイデアを頂きます。クレジオで気を向けるべきは、社内ではなく、お客様ということが実感できます。
銀行員時代と比較すると、前職は仕事とプライベートを切り分けることが求められましたが、クレジオでは、お客様と正面から向き合うので、いい意味で休まるタイミングがありません。休日中もお客様のことを考えてしまいますし、経営者にお休みはないので、土日でも対応が必要なケースがよくあります。立場が変わり、「こんなに経営者の方は悩んでいたんだ」ということに気づかされました。銀行員時代に事業承継について質問すると「うちは大丈夫だよ」という回答が多かったのですが、クレジオという立場でお話してみると、より具体的な悩みをご相談いただきます。銀行員には言えずに悩んでいることを改めて実感しました。

案件推進がやりがい、「仲介」という立場の難しさを痛感
業務を通じて、やりがいを感じるのは、オーナー経営者の不安に寄り添い、案件を推進することで安心して頂くことです。M&Aは経営者として、人生の一大事ですので、精神的に不安定になるケースもあります。契約を締結してから、どういう動きをしたのかを丁寧に報告し、どんな企業が関心を持ち、面談を希望している等、案件の具体的な進捗をお伝えすると、緊張感はありますが、少し安心して頂けることが伝わります。案件を動かすことで、喜んで頂ける。ここにやりがいを感じています。
大変だなと感じたことは、「仲介」という立場の難しさです。仲介は、買手(譲受側)・売手(譲渡側)の間に入る仕事になります。なるべく費用を抑えたい買手と、なるべく高く評価して欲しい売手、主張として相反する部分が出てきます。これをどう調整するのか、M&Aの仕事として難しいところだと感じています。また、事務作業も苦労しているところの一つです。銀行員時代にExcelやPowerPointは触る機会が少なかったので、実際に資料を作成する際は、クレジオのサポートグループにたくさんサポートして頂いています。
最近、お客様の言葉で印象的だったのは「株価じゃない。あの人について行きたいから、選ぼうと思う」という一言でした。買手となる候補の複数と面談し、実際に条件の提示があった時に、株価だけでなく、買手となる企業の経営方針や、経営者としての人間性を見た上で、意思決定しようとしている姿を見て、ロジックだけでなく、エモーショナルな感覚があり、そのような現場に関われることを嬉しく思いました。
また、金融機関時代に繋がりがあった経営者の方にもご挨拶にお邪魔した時に、自分は「銀行辞めたらもう会ってくれないだろうな」と思っていたのですが、「むしろ損得なく話ができる間柄になれて嬉しい」という言葉を頂いた時も嬉しかったです。
M&A・事業承継を通じて地域に貢献できる存在を目指す
常に謙虚であり続ける、相談できない経営者の悩みに寄り添いたい
私が大切にしている考え方は、リクルーター時代に学んだ「常に謙虚」であることです。何かが上手くいった時、「俺スゲー」と調子にのってしまうのですが、それは誰かの支えがあって初めてできることだと思います。自分だけが頑張った訳ではない。もちろん、上手くいって嬉しいというのはありますが、そこで満足せず、もっと自分にできることはないかという気持ちで、感謝を忘れず頑張りたいです。
経営者は、M&A・事業承継について「どこに相談していいか分からない」と悩んでいます。最近は、良くも悪くもM&Aが有名になる一方で、M&Aにまつわるトラブルの話も多く聞くようになりました。事業承継に悩みはあるものの、本当に相談すべきか迷っている。そんな経営者も多いのではと思います。宣伝する訳ではないですが、クレジオであれば、M&Aだけでなく、親族内承継・従業員承継も含めて、財務・税務・資本の観点からアドバイスできるので、クレジオの得になる・ならないは置いておいて、お気軽に相談して欲しいです。私であれば、人の話を聞くのは好きですし、元銀行員という経験を活かして、お伝えしたいと思います。また、香川出身なので、うどん屋にも詳しいです。ご要望いただけたら佐藤のおすすめリストをお渡しして、ご案内もできます。
ご縁があった地域への貢献が目標、クレジオへの転職相談も歓迎
現在の目標は、将来的には地元である香川県に帰り、地域の事業承継支援に貢献することです。兵庫県にもご縁があるので、兵庫や四国地域の事業承継の課題解決に関わりたいと思います。まずはクレジオの中で、自分一人で案件を完結できるまで成長し、ゆくゆくは自分の縁がある地域に貢献できるような存在を目指したいと思っています。
クレジオに応募しようか迷っている方には「まずは応募してみよう、話を聞いてみよう」と伝えたいです。私も初めはクレジオに全く興味はありませんでした(笑)。ただ、応募しようか悩んでいるなら、クレジオのメンバーであれば、嘘はつかないし、何か変な質問をしたからNGというのはないので、迷っているならまずは話を聞いてみることから始めるとよいと思います。元職場のメンバーからも「クレジオの入社インタビューの記事いつ出るの?楽しみにしてる。」と言われました。もし連絡しにくいなら、この記事を読んで、私に連絡してきて頂ければ、包み隠さずお話します。

<その他のメンバー紹介コラム>
■取締役 眞﨑 託弥|M&A・事業承継を通じて山陰地域へ貢献
■執行役員 再東 弘喜|地域のご縁を活かす!目指すは地域No.1のM&A・事業承継コンサルタント
■シニアコンサルタント 酒井 康太朗|M&A・事業承継のユーティリティプレーヤーを目指す
■コンサルタント 見目 将宏|営業力を活かし新しいステージへ、経営者に頼られる存在を目指す
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