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「IT導入補助金」を解説!ITツールを導入したい中小企業者向け


「IT導入補助金」とは、経済産業省が実施する中小企業者向けのITツール活用に利用できる補助金です。上限額が150~450万円程度と幅があり、ソフトウエア費、導入関連費等が対象となっているため、有効に活用することで自社のDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めることができます。本コラムでは「IT導入補助金」について分かりやすく解説します。概要をピックアップしたものとなりますので、詳細は必ず公募要領をご確認ください。

《IT導入補助金サイト》
https://www.it-hojo.jp/


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記事のポイント

  • 「IT導入補助金」は中小企業者が「ITツールを導入」するために利用できる補助金
  • A・B・Cのタイプに分かれており、新型コロナ関連はC型
  • ベンチャー・スタートアップ等、ITサービスを展開している事業者も上手く利用可能
  • 申請を検討する中小企業者は早めに「IT導入支援事業者」に相談することがおススメ。


「IT導入補助金」の特徴

「IT導入補助金」の特徴は、中小企業者がITツールを導入する際にソフトウエア費、導入関連費等が補助されることです。申請も「IT導入支援事業者」というITベンダー・サービス事業者が申請をサポートする流れになっていることも特徴となっています。

令和元年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業

2020年11月現在において公募中の補助金の正式名称は「令和元年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業」です。通称として「IT導入補助金」と呼ばれており、補正予算ではここ数年は毎年度計上されている補助金です。

ITベンダー・サービス事業者が自社等のサービスを登録し「IT導入支援事業者」となることで、そのITツールが対象となり、中小企業者はIT導入支援のサポートにより補助金を申請することとなります。

ITツールは、大分類Ⅰ:ソフトウェア(業務プロセス)、大分類Ⅱ:ソフトウェア(オプション)、大分類Ⅲ:ソフトウェア(付帯サービス)に分かれており、それぞれの分類の中で更に機能ごとに分かれています。

上記の1つ以上の業務プロセスを保有するソフトウェアを申請する場合はA類型、4つ以上の業務プロセスを保有するソフトウェアを申請する場合はB類型と分けられており、それぞれ補助上限が異なります。

また、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け「サプライチェーンの毀損への対応」「非対面型ビジネスモデルへの転換」「テレワーク環境の整備」に取り組む場合はC類型と整理されており、「サプライチェーンの毀損への対応」のツールのみを導入する場合と、「非対面型ビジネスモデルへの転換」「テレワーク環境の整備」いずれかのツールを一つ以上導入する場合で分かれています。加えて、それぞれの中で賃上げするかどうかで補助額上限が異なります。


新型コロナウイルスに関連した特別対応

上記のとおり、C型が新型コロナウイルスへの対応となります。対象事業が「サプライチェーンの毀損への対応」「非対面型ビジネスモデルへの転換」「テレワーク環境の整備」に限られています。

通常のA・B型は基本はハードウェアが対象外となっていますが、C型の場合、上記甲・乙・丙の3つのいずれか一つの目的に資するITツールが1つ以上含まれていることと、そのツール導入とハードウェアレンタルに係る経費が補助対象経費全体の1/6以上を占めることが要件となっており、レンタルという形でハードウェアが認められています。ただし、レンタルできるハードウェアの対象は公募要領で定められていますので注意が必要です。

「IT導入補助金」の概要

誰が使えるの?補助対象者について

対象は「中小企業・小規模事業者」

本補助金は中小企業・小規模事業者が対象となります。

その他の申請要件として、電子申請が前提となっているため「gBizIDプライムを取得していること」や、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の取組に同意すること等が挙げられています。また、補助事業を実施することで労働生産性の伸び率の向上について1年後の伸び率が3%以上、3年後の伸び率が9%以上等の生産性向上に係る要件等も定義されていますので、詳細は公募要領をご確認ください。



補助金はいくら?補助上限額・補助率について

上記で整理した図のとおりです。各類型で異なりますが、A類型が上限150万円、B類型が上限450万円でいずれも補助率は1/2となっています。

C類型の場合、「サプライチェーンの毀損への対応」=甲のみの場合(C類型-1)と、「非対面型ビジネスモデルへの転換」=乙または「テレワーク環境の整備」=丙の場合(C類型-2)で異なりますが、C類型-1は補助率2/3、補助上限150万円(賃上げ要件を満たす場合450万円)、C類型-2は補助率3/4、補助上限300万円(賃上げ要件を満たす場合450万円)となっています。



何の事業が対象になるの?補助対象事業について

A・B類型については、中小企業・小規模事業者等が、生産性向上を目指す取組として、事務局にあらかじめ登録されたITツールを導入する事業に対して、その費用の一部を補助するものとなります。

C類型については、「サプライチェーンの毀損への対応」、「非対面型ビジネスモデルへの転換」、「テレワーク環境の整備」のいずれかの目的に対して、生産性向上のためのITツール導入の取組を支援するものです。


何の経費が対象になるの?補助対象経費について

補助対象となるのは以下の経費です。

A・B類型

ソフトウェア費、導入関連費

C類型

ソフトウェア費、導入関連費、ハードウェアレンタル費

 上記が補助対象経費となります。補助対象にならない経費もございますので、詳しくは公募要領をご参照ください。



いつまでが対象なの?補助事業実施期間について

各締切分によってそれぞれの補助対象となる事業実施期間が異なりますので、詳しくはHPにてご確認ください。
https://www.it-hojo.jp/schedule/

申請期間と申請方法

申請期間については、それぞれのHPよりご確認ください。
https://www.it-hojo.jp/schedule/

申請方法は基本は電子申請となりますが、中小企業者にとってはまずはIT導入支援者へ相談することなりますので、IT導入支援事業者を検索し、相談してみるのがよいと思われます。


注意すべき点

電子システムを利用する場合

電子申請を行うためには、「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。アカウント取得には時間を要するため、早めの申請が必要となります。


ベンチャー・スタートアップにとっての「IT導入補助金」

中小企業者の中には、ベンチャー・スタートアップと言われるような急成長と出口戦略を前提としたビジネスに挑戦されている方もいらっしゃいます。その中でも多くはITサービスをベースとした方も多く存在すると思います。その場合、IT導入補助金の利用者になるだけではなく、「IT導入支援者」になるケースも十分想定されると思います。

もし生産性向上のSaaS(Software as a Service)事業を展開しようと思っている場合、IT導入支援者となることで、自社サービス導入経費の一部を補助金で賄うことができるため、自社のユーザーのコスト負担を下げることができます。ただし、事業成長や持続的な発展を目指すためには、「補助金があるから導入」するユーザーと、「本当に必要でありお金を払ってでも欲しい」ユーザーかどうかを見極めることが必要となります。いずれにしても、本補助金を上手く活用することで、ユーザーのコストを軽くしながら、事業成長できる可能性もあります。


生産性を向上した地域企業のIT導入事例

事務局HPでは、生産性を向上した地域企業の事例を紹介します。直近の事例集である「なぜ、そのITツールを選んだのか--多様な業種15社の横顔と取り組み(H30)」では、中国・四国地域では以下の企業の取組が紹介されていますので、ご参照ください。

【中国・四国地域で取り上げられた企業】

地域 事業者名 業種
広島県 福山市 親和(鞆の浦・さくらホーム)

介護事業(デイサービス、グループホーム、小規模多機能型居宅介護)

広島県 三原市 山陽トラック

運輸業(一般貨物自動車運送)

香川県 東かがわ市 妙見屋(あいおい薬局)

医療業(調剤薬局)

岡山県 岡山市南区 キミセ醬油

食料品製造・販売業



おわりに

「IT導入補助金」は「ものづくり補助金」「持続化補助金」と同様に補正予算の度に計上されているロングヒットの補助金です。デジタル対応が課題とされる中小企業にとって、ITツール導入のきっかけを得る際のコスト負担を軽減することができます。IT導入支援事業者のサポートが前提となっているため、導入を検討する際は早めに検索ツールを用いて探しておくとよいかもしれません。



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クレジオ・パートナーズ株式会社のご紹介代表者 :代表取締役 李 志翔
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