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コラム COLUMN

「経営者保証なし融資」割合、全国3位!地域の経営者に寄り添う、西京銀行


山口県周南市に本社を置き、「あなたのあしたに- ACT FOR YOU -」をメッセージに掲げる山口県の地方銀行、西京銀行。「経営者保証なし融資」の推進をはじめ、地域の経営者に寄り添った様々な取組を展開する同行の副頭取 金丸眞明氏に、地域企業への想いや、M&A・事業承継に関する取組について、インタビューを行いました。

経営者保証を求めない、全国3位の実績

「経営者保証なし」の融資については、現在、中小企業庁・金融庁が中心になって各金融機関に働きかけを行っています。2013年12月に「経営者保証に関するガイドライン」を公表し、経営者の個人保証がない融資を促進することで、経営者による思い切った事業展開や、早期の事業再生を促してきました。現在では、民間金融機関も実績を公表する形になっています。当行の実績では、2019年度上期で74.51%、下期で72.51%となっており、全国の金融機関の中で3番目に高い割合となっています。

当行は、行政が推進する前から、経営者保証を求めない取組を推進してきました。元々、担保や保証人に依存しないという習慣があったこともあり、早くから方針を打ち出し、融資の際は、当行で査定を行った上で、原則として経営者保証を不要とするという考えを各営業店に浸透させてきました。そのため、当時、金融庁等から経営者保証なし融資の推進の施策についても、違和感なく受け入れることができました。

当行では、「経営者の人物をしっかり見て、応援する」という一貫したスタンスがあります。頭取もその他の役員も含めて、我々はお取引先の経営者へきちんとお会いします。ある程度の規模のあるお取引先で当行の役員が誰も知らないということはまずありません。誰かが知っている。色々なご相談を頂いたも、この企業の経営者はこういう方だと、誰かが答えることができる状況になっています。事業は「何をやるかもさることながら、誰がやるかがもっと重要だ」という基本的な考え方があり、ご融資の際もそのスタンスで実行しています。
「経営者のどんなところを見ているか?」ですが、長年の銀行経営の中で、経営者の誠実さや、地域の中でのお付き合いといった定性的な要素も重要と捉えています。定量面はもちろんきちんと審査をした上で、その経営者自身を見て、総合的に判断することを大事にしています。

ただし、経営者自身を見るという考え方や、経営者保証を求めないことについて、必ずしもすぐに浸透した訳ではありませんでした。役員が中心となり、繰り返し、繰り返し、当行のスタンスを行員に伝えてきました。行内において、経営者保証を取っているお客さまをリストアップして、「なぜ経営者保証を取るのか?」と担当者には理由の説明を求めました。役員も含めて、本部の人間が営業店にいった時に「これは本部の方針だ」と一貫して伝えることが重要です。結果として、当行と取引のなかった経営者の皆さまからも大変喜ばれ、驚きを持って接して頂いた時期もありました。

その他にも、お客さまが遺産分割協議中に被相続人名義の預金口座から出金する場合、これまでは支店長の裁量で100万円までの出金を認めていました。これを、1,000万円まで引き上げ、柔軟な運用に変えました。金融機関は、とにかくお客さまに書類を求めることが多いですが、そういった負担を少しでもなくしたいという想いから始めた取組でした。基準を緩めたことでトラブルになったことはありません。スピーディに対応することでお客さまから喜ばれるケースが多いというのが現状です。


地域の経営者に寄り添う、西京銀行の取組

西京銀行は、山口県周南市に本社を置いており、直近の業績では、2021年3月期の預金残高は約1兆6,600億円(約99%が地元預金)、貸出金残高は約1兆3,300億円(約75%が地元貸出金)となっています。山口県内32店舗、広島県1店舗、福岡県2店舗の拠点があり、昔から「Action」「Communication」「Trend」の頭文字を取って、「ACT Bank」を理念に掲げ、地域密着型の金融機関を目指しています。


地域において経営環境が厳しい中、地域金融機関が生き残る道は、コンサルティング業務の強化しかありません。従来の銀行業務が中心では今後は難しいと考え、早くから手形の取立手数料を無料化するなど、新しい取組を実施してきました。

コロナ禍の地域経済の現状、地域金融機関の役割

山口県内の新型コロナウイルスの影響は、特に飲食店やホテル・旅館等の宿泊業に色濃く出ています。一方、それ以外の業種だと、コロナを理由に倒産に至ったのは、当行のお取引先だと1社だけです。コロナ対策の金融支援や補助金等の支援施策が功を奏しているように感じています。もちろん、業種によって差はありますが、例えば小売業・建設業の中でも業績を伸ばしている企業さまもあり、必ずしも全ての企業の業況が悪いという状況では全くありません。減収にはなっていますが、感染拡大防止の観点からも、移動や対面での接触を避け、経費を節約した結果、増益になっているお客さまもたくさんいらっしゃいます。
ただし、これは現時点での話であり、コロナが長期化した時は、どのような影響があるか分かりません。中長期的には、地域で少子高齢化が進んでおり、人口減少と共に市場のパイは減少していくので、事業の先行きに不安を感じている経営者も多くいらっしゃると思います。
明るい見通しとしては、山口を支える企業の中で、経営者の若返りが進んでいることです。山口という地域性もあり、若い世代の経営者は自分達の置かれている立場を厳しい目で見ています。そのため、経営においても様々な工夫をしており、たくましさを感じています。経営者同士の横の繋がりを大事にする方もおり、経営層が30-40代と若い世代へバトンタッチが進むことで、新しい展開を期待しています。

当行も地域を支える金融機関として、まだまだ山口県内でお役に立てる機会はたくさんありますので、これまで以上に存在感を発揮していきたいと考えています。当行が地域活性化に向けて、現在特に力を入れて取り組んでいるのは、地域企業の人手不足解消の支援です。一つは、山口県外にいった若者に「観光」と「企業見学」をセットにして提供する「若旅」です。昨年はコロナ禍のためオンラインで開催しましたが、東京等の首都圏に進学学生に対して、山口県内の観光地に行くだけじゃなく、企業見学もしてもらうというコンセプトで、企業と接する機会を提供しています。この取組は、行政にも認められ、山口県庁から一部学生の交通費を補助して頂くことになりました。
加えて、外国人労働者や留学生の採用支援にも力を入れています。少し前は外国人の雇用に対してためらってしまう企業もおられましたが、最近は日本語のコミュニケーションのストレスもなく、むしろ優秀な留学生が多くなり、「次も採用したい」と積極的な声を頂いています。




「お客さまファースト」の姿勢を貫く事業承継支援

事業承継についても力を入れており、M&Aのご相談も圧倒的に増えています。以前公表されたアンケート調査では、事業承継の相談相手は「税理士」「家族」が多く、銀行には相談しないという結果でした。その結果を受け、潜在的なニーズはあるだろうと考え、当行でもお客さまへ細かくヒアリングをすると、企業の規模の大小に関わらず、ほとんどのお取引さまにおいて、事業承継について悩みを抱えていることが分かりました。一つ一つ丁寧に対応しているため、必然的に案件も増えました。事業承継の悩みとしては、現実的に後継者がいない。一概に線引きはできませんが、ある程度の事業規模がある企業は、早くから事業承継の取組を進め、経営者の若返りも見られますが、事業規模が小さいところはまだまだ進んでいません。

当行としても、より事業承継の取組を推進するため、担当部署が直接支店に赴き、行員からヒアリングして、事業承継のニーズを拾うようにしました。その結果、行員の意識もガラッと変わり、今では事業承継ニーズについてオープンに考えるようになりました。

地域密着・顧客志向の外部機関と連携を強化

第三者承継(M&A)に関しては、もともとは自行内で完結させる方針でしたが、専門性やスピードを重視して、当行はトップ同士をお引き合わせし、その先は専門家にお任せして、お客さまにご満足頂こうというスタンスに変えました。
当行はあくまで「発想の起点はお客さまにある」のスタンスを一貫しています。お客さまに喜んで頂く、ということが前提にありますので、当行のビジネスチャンスとしてのみ事業承継を捉えるのではなく、成功率を高めることで、お客さまに価値を提供することが我々の真髄となります。そのために、専門家と協力するのが一番であれば、その選択肢を選ぶという考え方です。従来では、県を跨いだ案件も積極的に取り組んでいましたが、やはり情報量の問題があり、なかなかこれが成立しない。我々は、できうれば山口県内企業同士のお引き合わせに注力し、県を跨ぐニーズに対しては外部と連携し、様々な機関にお力添えを頂くことが必要と感じています。

M&Aの専門会社や士業の方々と連携する際も、我々の「お客さまファースト」の考えを理解して頂けることが、協力関係を築く大前提となります。手数料ありきではなく、まずお客さまありきの姿勢を重要視しています。事業承継は時間がかかります。将来代々続く話になりますので、地域密着で、長期的な目線でお客さまとお付き合いすることが必要です。そういった視点で伴走してくれる専門家がいれば、双方にメリットがあると考えています。最低限の専門性を有しながら、きちんとお客さまと人間関係を作っていくことを意識することが大切だと感じています。



そばに寄り添うことで、経営課題を解決する。地域金融機関としての変わらない姿勢

我々は地域の金融機関として役割を果たしたい。そばに寄り添うことで、一緒に経営課題を解決したい。当行としてその考えは変わりません。その結果として、これまでお話した経営者保証なし融資の割合や、M&A・事業承継への取組の推進にも繋がっています。地域の金融機関の強みはフットワークです。ただ、今後は+αの知恵と工夫が求められています。最近は地域企業でもAIの活用等に関心も高く、地域におけるDXの推進等の問題にも真正面から取り組みたいと思っており、お客さまの課題を解決することでビジネスチャンスを生み出せると思っています。
事業承継については、これまでとイメージも変わり、我々も後継者についてのお話を聞きやすい環境になっていると認識しています。経営者の状況を把握している我々がアクションを起こすことで、一歩前に進み、従業員承継やM&Aに進んでいくというケースも増えています。
地域の経営者の皆さまには、経営課題について、何でもご相談して欲しいと思っています。




企業情報

会社名株式会社西京銀行
代表者名代表取締役頭取 平岡 英雄
創業1930年11月17日
資本金234億9千万円
従業員866名
本社所在地山口県周南市平和通1丁目10-2
HPhttps://www.saikyobank.co.jp/index.html



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クレジオ・パートナーズ株式会社のご紹介代表者 :代表取締役 李 志翔
所在地 :広島市中区紙屋町1丁目1番17号 広島ミッドタウンビル3階
設立  :2018年4月
事業内容:
 ・M&Aに関するアドバイザリーサービス
 ・事業承継に関するアドバイザリーサービス
 ・資本政策、企業再編に関するアドバイザリーサービス 等
URL  :https://cregio.jp/

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