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コラム COLUMN

建設業界の「担い手不足」に立ち向かう、良質な水と空気を提供する空調専門企業|株式会社三共冷熱

広島県福山市に本社を置き、「水と空気の快適未来」を理念に掲げ、空調専門企業として、室内環境・冷蔵冷凍関連システムの施工・メンテンスの事業を展開する株式会社三共冷熱。「街の電気屋」から空調工事専門企業へと成長し、建設業の担い手不足に立ち向かう同社 常務取締役 宮本 崇氏に、これまでの会社の成長や、M&A・事業承継への想いについてインタビューを行いました。

「働く社員のために」、常に新しい模索を続ける空調専門企業

事業概要

「街の電気屋」から空調専門企業へ成長、「冷蔵冷凍」という新しい市場を開拓

株式会社三共冷熱は、建築工事業の中でも空調設備工事・給排水といった管工事業を展開しています。空調という、空気を冷やす・暖めるという技術のノウハウを活かしながら、最近は食品の冷蔵冷凍設備にも事業展開しました。こちらに加えて、全国の港湾に所在するバナナの熟成庫の設備工事も手掛けています。

三共冷熱は、1945年に祖父が創業しました。元々は「街の電気屋さん」として事業をスタートし、家電の修理や、当時はまだ珍しかったエアコンを取り扱ってきました。元々は消費者向け(to C)ビジネスでしたが、徐々に企業向け(to B)ビジネスに切り替わり、現在の規模になりました。

我々が取り扱っている空調は、「空気」と「水」を提供しており、私達が生きていく中で欠かせないものだと認識しています。当然、欠かせないものだからこそ良質なものがいい。我々は、人間が生存する上で必要不可欠なものを高い技術力で快適なものにするという想いを込めて、理念として「水と空気の快適未来」を掲げています。

会社のこれまでを振り返ると、我々が取り扱う空調が経済成長と共に社会的なインフラとなったという背景があります。現在、空調は一家に一台という時代で、特に日本の夏場は毎年猛暑が続いており、至るところで空調が必要となります。給排水についても、社会的な設備インフラであり、安定的に事業を展開することができました。
会社の「成長」という意味で言うと、我々は様々な業種にチャレンジしており、新しい市場として「冷蔵・冷凍」の市場にも事業展開しました。空調と冷蔵・冷蔵の考え方は似ていますが、用いる技術は全く違います。空調は、30℃の空気を15℃程度まで冷やすことが求められますが、冷蔵・冷凍だと-15℃まで冷やさなければなりません。仕組みは同じですが、扱っている機械は違うので高い技術力が必要です。このように新しい市場にチャレンジして、結果を残すことができたのが会社としての成長の要因です。


常に新しいものを模索する企業文化を醸成、建設業の大きな課題は「担い手不足」

当社の強みの一つは技術力ですが、技術力はあくまで結果です。技術を高めるために、現状に甘んじず、常に新しいものを模索していくという企業文化が強みの理由です。現在、111名の社員がいますが、直接的に技術を教えるだけでなく、座学や、中堅社員向けのリーダーシップ研修、マネジメント層の経営哲学等、直接技術に関係のない側面的な分野も学ぶ機会を提供しています。そうすることで、メンバーの意識が高まり、個人個人が考えながら業務に取り組んでくれることを期待しています。

技術の継承そのものはそう単純ではありません。教える方も、学ぶ方も、経営的に何が課題かを把握した上で伝えると、両方の理解が深まります。建設業界は、そういった大きな視点でものごとを捉える教育を受けることが少ない印象です。例えば、現在、環境問題はグローバル社会における大きな課題となっていますが、空調設備に必要な冷媒と呼ばれるガスは、温度を調整するために必要である一方、地球温暖化に影響を及ぼすと言われています。そのため、漏洩しないように慎重に取り扱わなければなりません。昔は「漏洩してはダメだよ。」くらいの認識でしたが、今はコンプライアンスの問題になりました。極端に言えば、冷媒ガスの漏洩は、会社の存続を脅かす程の重大事項と言えます。冷媒ガス漏洩に意識が低い会社は淘汰されることを知り、会社のリスクとして認識すれば、教える方・教えられる方も受け止め方が変わってきます。

現在、建設業界は「担い手不足」が大きな課題となっています。原因の一つは、労働災害が多いと認識されていることです。足場から転落する事故等、一つのアクシデントのインパクトが強く、生命の危険が脅かされる仕事というイメージを持ってしまいます。
もう一つは「若手を育成する」という概念がないこと。年齢が高い経営者からは「今の若い者は根性がない」という言葉も聞いたりしますが、本当に変わるべきは我々です。業界特有の職人気質があるためか、なかなか若者にとって働きやすい職場をつくることが難しい状況です。
当社は、こういった状況を改善するため、広島県庁の「広島県働き方改革実践企業認定制度」や、経済産業省の「健康経営優良法人認定制度」の認定を取得しました。また、本社2階のオフィススペースはカフェ風にして、業界のイメージを変えようとしています。このように働き方改革を進めることで、離職率が低くなっていることも当社の特徴です。

「担い手不足」という業界の課題は、そのまま当社事業の課題に直結しています。この課題は、当社だけが声をあげても解決することが難しい問題です。業界一体となって取り組むことが必要ではと感じています。


経営の原点は「社員への想い」、事業承継で感じた課題

今後の会社の展開を考えた時に、一番は、当社に関わってくれている社員を大切にしたいという想いですね。社員を路頭に迷わせるようなことはしたくない。そのために会社はどうあるべきかを考えていきたいと思います。当社でも事業承継をどう進めるかは既に考えていますが、どの形が一番社員の皆さんにとってベストなのかと考えています。

私の事業承継の経験で言うと、15年前くらいから当社に戻り、ずっと現場を経験してきました。11年前に財務のポジションにつき、当時から銀行の担当者の方から、事業承継について準備しておくべきというアドバイスを頂いていました。ただ、父であり弊社の現会長からの抵抗は大きかったです。その理由は、事業承継する時の税金の問題です。当時は会社は成長期だったので、毎年利益を計上し、内部留保がどんどん大きくなる状況でした。当然、相続する株式の評価も高くなり、株式を売買するときに発生する税金の負担も年を追うごとに大きくなっていくことは目に見えていました。私は「早く事業承継に取り掛からないと我々の資金負担がどんどん大きくなる」ことを何度も話をして、最終的に事業承継を進めるに至りました。当時分散していた株式を集約し、現在は持ち株会社が株式を所有をしています。経営については、兄は営業系を担当し、私は元々財務系だったので、そちらを担当しています。次の世代への事業承継についてもどういう選択肢が最適なのかを今から考えています。


成長戦略としてのM&A、「地域」におけるM&Aの意味

M&Aの方針

当社では、M&Aは成長戦略の一つと位置付けています。グループ全体の売上を増やし、グループを増やすことで、お互いの得手不得手を補完することができるとベストですが、一番は売上のボリュームを増やすことを目的としています。必要としているのは、我々と同じ建設業の企業です。建設業は下請けの構造なので、それぞれの工事の専門業者も、担い手不足を解消するという意味も含めて、求めています。M&Aでは、基本的には、相手側の企業文化や商流を尊重し、これまで培ってきたものを大事にするという考え方で臨んでいますが、グループ企業で新しいチャレンジをしたいということであれば、我々ももちろん協力します。

M&Aでグループに参画頂いた場合、会社名はそのままで、雇用も継続することを基本方針にしています。M&A後の経営者は社内で昇格することを想定しており、その企業が培ってきた文化や商材に手を加えることはしないと考えています。経営への関わり方については、後任の経営者に月2回の当社の経営会議に出席して頂き、当社が目指す方向性を伝えています。財務面に関しては、事業が軌道に乗るまでアドバイスを致します。

M&Aにおける課題の一つに、仲介事業者が、我々のビジネスや業界についてあまりご理解されていないということが挙げられると感じています。当社の意図や業界の現状を分からず、提案・交渉している場合が多いです。業界を知ることで、売手側・買手側双方のコミュニケーションを円滑に行うことが求められています。そういう意味で、本来であれば仲介というスタイルではなく、売手側・買手側それぞれを担当するFAのようなスタイルの方がやりやすいのではと感じています。例えば、売手側は銀行がFAとして担当し、買手側は専門会社がFAとして担当する形であれば、売手側も全く知らない相手ではないので、話しやすくなると思います。デューデリジェンスをどこまでするかや、用意すべき資料のボリュームについて、仲介会社の都合ではなく、それぞれの立場で経営者にとって寄り添うことを求めたいと思います。

もう一つは、私はM&Aは「地域」でやりたい。御社や地域の金融機関を含めた、地場の人たちでやるのが一番いいと感じています。地域でやることは、それだけでインパクトが大きい。地域の経済誌に掲載されれば、地域の経営者はそれを見ます。現在、地域で事業承継に困っている人は多いのですが、市場が不活性なため、きちんと情報が届いていません。身近などこかがM&Aをしたというニュースが出ると、地域にも認識が広がります。地域にインパクトを出したいな、という想いが強いです。


買収対象業種

建設業全般(建築・土木、専門工事業(住宅関連以外))

買収対象規模

売上規模10億円程度までを検討

買収フロー

決算書等による質疑応答、デューデリジェンス、面談を通じ、当社とのシナジーに基づき判断します。
途中、双方を知ることを目的に懇親の場等もセットさせて頂けると嬉しく思います。

M&A後の対応

役員は社内登用、社名・雇用は継続すること想定しています。
月2回の経営会議の参加。財務については、事業が軌道にのるまでフォロー。


これまでのM&A実績

永光エンジニアリング株式会社(静岡県沼津市)

空調システム等の設計施工を実施。当社の関東支店との事業連携を期待してM&Aを実施。

株式会社ビギン(愛知県春日井市)

電気工事業(低圧/高圧いずれの工事も対応)を実施。東海地域の拠点としての役割を期待してM&Aを実施。



担い手不足の建設業に求められるのは「共創」、多様な選択肢の中で事業承継を進めることが重要

売手経営者へのメッセージ

間違いない事実として、将来的に建設業界の担い手は少なくなります。これから担い手が急に増えることもないでしょう。避けられない未来が来ています。その中で、どんな選択肢があるか、どういう形で雇用を確保するかを考えた時に、業界同士で争うことはできないだろうとよく社長と議論しています。競い合う「競争」ではなく、共に創る「共創」が求められています。同じ問題意識を持った仲間同士でやっていくことが求められています。業界における担い手不足と、経営者の事業承継のタイミングが重なるはずですが、その将来は決して明るくはないと感じています。その状況の中で、単純に社内で事業承継を完結し、厳しい状況で事業をするという選択肢がいいのか、同じようなグループがあり、仲間と一緒に厳しい業界を乗り越えていくのがよいのか。私は、後者の方が企業の生存確率は上がると認識しています。

当社も、代表の兄にとって、事業承継は考えないといけない重要なテーマです。経営者が若い、今だからこそ取り組むことに意味があると思っています。それは、事業承継の「選択肢がたくさんある状況」にしておきたいという想いがあるからです。現在は、事業承継にも様々な形があります。子供や妻に継ぐのか、社内の従業員に引継ぐのか、M&Aで第三者へ引継ぐのか。選択肢によっては、例えば今のうちに会社を分割して規模を小さくしておいた方がいいのか等、今やらないといけないことが出てきます。

これまでの事業承継は選択肢がなさすぎる状況でした。「実は選択肢があるんだ」と認識することが必要です。M&Aしか選択肢がない状況で、M&Aを選ぶことと、様々な選択肢の中から、最良の選択肢としてM&Aを選択することは意味が違います。どの選択肢も選べる状況を作らなければ、事業承継を進めていくことは難しいと感じています。事業承継について、色んな選択肢を考える時代がきていると感じています。



企業情報

会社名株式会社三共冷熱
代表者名代表取締役社長 宮本 大輔
創立年1946年(設立1962年11月)
従業員数111名(2021年4月現在)
売上高約40億円(2020.9月期)
資本金4,000万円
事業内容<設計、施工監理、製造据付>
空気調和設備、防災設備、給排水衛生ガス設備、
果実熟成加工装置、冷凍冷蔵庫設備、その他一般搬送装置
<メンテナンス>
上記設備機器全般
本社所在地広島県福山市松浜町4-2-22
HPhttps://sankyo-r.co.jp/



>>M&Aによる「事業承継」を検討される方はこちらからお問合せください。

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クレジオ・パートナーズ株式会社のご紹介代表者 :代表取締役 李 志翔
所在地 :広島市中区紙屋町1丁目1番17号 広島ミッドタウンビル6階
設立  :2018年4月
事業内容:
 ・M&Aに関するアドバイザリーサービス
 ・事業承継に関するアドバイザリーサービス
 ・資本政策、企業再編に関するアドバイザリーサービス 等
URL  :https://cregio.jp/

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