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コラム COLUMN

プロ野球選手からビジネスへの新たな挑戦、M&Aも活用し、地域経営者と共に成長を目指す|株式会社HAKI Pro

プロ野球選手として広島東洋カープに所属し、引退後、ビジネスのフィールドに身を移しつつ、挑戦を続ける安部友裕氏。株式会社HAKI Proを新たに立ち上げ、M&Aの活用も見据えつつ、教育・健康分野での新事業展開を目指す同氏に、現在の取組や、今後の展望についてインタビューしました。


プロ野球選手経験から見出した、ビジネスでも必要なチームとしての力

欠けていた野球への情熱、身体のメカニズムを理解することで野球の真の楽しさを知る

本格的に野球を始めたのは、小学校3年生からです。当時の本心では、野球よりサッカーに興味がありましたが、兄が野球をしたかったことが、野球を選んだきっかけでした。小中高を通じて、野球部のキャプテンを務め、決して楽な道のりではありませんでしたが、一生懸命野球に取り組みました。ただ、自分の中で、どこか野球に本気になれていない部分を感じていたこともあり、思うような結果を残すことができませんでした。

高校を卒業し、プロとして広島東洋カープに入団しました。表向きでは華々しく取り上げて頂きましたが、野球しか生きる術を知らなかった、というのが本音でした。自分自身の中で、どこか野球に対する情熱に欠ける部分もあり、非常に苦しい想いをしつつ、4年目で1軍に上がることができました。

私がカープにいた時代は、前田智徳選手をはじめ、たくさんの尊敬すべき選手が在籍していました。初めの私の練習方法は、上手い選手を見よう見まねで、模倣することでした。真似したところで、付け焼刃では到底上達はできません。自分自身の身体のメカニズムを理解しないまま取り組んでいたので、どうやったら打てるのか本当の意味で理解できていなかったと反省しています。自分の身体のことは自分にしか分かりません。身体のメカニズムを理解した上で、失敗と学びを積み重ね、プレーヤーとして成長することを覚えるようになると、遅くはありますが、本当に野球を楽しむことができるようになったと実感していました。


カープの三連覇に貢献、チーム・組織の力を学ぶ

2016 ~2018年にカープはセ・リーグ三連覇を果たしました。選手としてプレーしていた当時は、そんな風には思っていませんでしたが、今になって振り返ると、三連覇を成し遂げられた理由は「チーム力」「組織力」が高かったからだと思います。緒方監督が「勝ちたい」という想いを伝え、チームが勝利に向かっていくことが、個人の成績向上にも繋がっていく、そういった好循環が生まれていました。

野球の世界では、チームの勝利より、個人成績を優先してしまうというケースもよくあります。ただ、当時のカープは、チームの勝利を優先しており、選手は個人の成績より、チームのことを考えていました。日本が優勝を果たした2023年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)を見ても分かると思うのですが、誰も個人のことは言っておらず、チームを優先していたと思います。

緒方監督が就任1年目の春季キャンプの時に「我々は投手を中心とした守り勝つ野球をする」と、明確にどういう野球をしたいかを示した上で、「楽しく、笑顔でやろう!」とおっしゃいました。それまでのカープはどちらかというと、練習は常に厳しいという環境だったので、それが当たり前だと思っていた自分にとっては新鮮に感じました。よいチームを作るためにはコーチ陣も重要な役割を担っていると思います。自分の意見に賛同するコーチではなく、しっかりと意見を言い合える環境を作ることで、チーム全体が叱咤激励の中で、切磋琢磨し合う、そういうチームが強くなるということを学ぶことができました。

当時、私は、石井琢朗コーチに指導して頂きました。石井コーチのやり方は、とにかく寄り添うスタイルです。一つ一つのプレーに対して、選手にどうだったか聞き、選手に応じた練習と改善を積み重ねていく。そんな姿を見て、自分も将来は何か指導をする立場になりたいと影響を受けるようになりました。野球を通じて「チーム力」「組織力」を学ぶ中で、漠然とですが、この学びをビジネスの世界にも活かしたいと思うようになりました。


教育・健康分野にビジネスマンとして挑戦、スポーツ選手のセカンドキャリアの懸け橋を目指す

「子供のスポーツ離れ」「健康」分野で、“覇気”を届ける

プロ野球選手としての人生に区切りをつけた現在は、ビジネスの世界で新しくチャレンジを続けています。2023年3月24日に、新たに株式会社HAKI Proという会社を立ち上げました。「覇気」という言葉は、私のプロ野球選手時代を支えてくれた言葉です。「覇気」から得たことを、次の世代にも届けていきたいという想いから、この会社名にしました。

私がビジネスに携わる想いの一つは、「子供のスポーツ離れをなんとかしたい」ということです。野球というスポーツでは、瞬間的な判断力・広い視野を磨くことができ、チームワークやマネジメントの能力を培うことができます。実感として、私も野球をやっていてよかったと感じる経験が何度もありました。子供にとって必要だと思う、太陽にあたること、身体を動かすことの楽しさを、野球を通じて学んで欲しいという想いから始まり、今では、野球だけじゃなく、様々なスポーツを通じて、子供時代の成長に必要な経験をして欲しいと考えており、そこに自分も貢献したいと思っています。

また、健康分野にも強く関心があります。これから野球を世界に広めていくのは、大谷選手やダルビッシュ選手、イチロー選手のような方々だと思います。自分が何をやりたいかを考えた時、いくら長く生きることができても、身体が健康でなければ意味がないと考え、「健康寿命」を長くすることの重要性に気づきました。昔は好きな食べ物を聞かれると「肉・ごはん!」と答えていましたが、今では「無添加」だったり、身体にとってどんな意味があるかをよく考えて、食を楽しみたいと考えるように変わりました。自分自身のビジネスの中でも「健康」をテーマに、どこかの企業と連携した取組にも関心があります。

「頭動かす」「主体性を育む」「身体にいいものを食べる」、ビジネスとして、どのように取り組んでいくかは、これから発展させていきますが、野球を通じて気づいたこと、学んだことを、世の中に広めていくことで、貢献していきます。


スポーツ選手のセカンドキャリア、ビジネスを学び、野球と社会を繋いでいく

私自身が、現在、スポーツ選手としてのセカンドキャリアの道を模索している最中です。当たり前ですが、野球に打ち込んだ人間は、野球という限られた枠の中でしか、社会のしきたりやルールを学んでいません。野球選手でいる間は、一生懸命練習する必要がありますし、周囲からもそう求められます。一方で、野球を中心とした人生は、早いタイミングで終わりを迎えるのも事実です。あの山本昌選手ですら、選手を引退するタイミングがきます。野球を一生の仕事にすることは非常に難しく、長くても50歳までというのが現実です。プロ選手を引退してからも野球に関わって仕事にできる方は一握りです。

一方、ビジネスは一生の仕事にすることができます。ただ、野球という世界から、いきなりビジネスの世界に飛び込むとアタフタしてしまいます。なので、野球というフィールドにいる間も、ビジネスについて学んでおく必要があるというのが自分の経験から言えることです。現在、広島のある地域で女子野球チームをつくるプロジェクトを進めています。男子より女子の方が野球に取り組もうとする人口が増加しているという背景もありますが、女子野球のトップチームを広島でつくりたいと考えています。そのプロジェクトでもセカンドキャリアは意識していて、野球に打ち込みつつも、社会に入る機会を多くつくることで、ビジネスや社会のことも学び、社会と野球と両立ができるキャリアが歩めるようにしていきます。

私も実際に会社を立ち上げる中で、税理士の方にサポート頂きましたが、煩雑な事務に苦しい思いをしたので、改めてビジネスの世界を学んでいます。選手時代は、スケジュール管理やユニフォームのクリーニング等の雑務的なことは、周囲が何でもやってくれました。自分自身は野球に集中できるという、非常に恵まれた環境だったと痛感しています。野球は常に身体を動かしますが、ビジネスの世界では、脳を常に働かせないといけません。頭がパンクしそうになることもあります。

自分は、まず行動し、経験の中から学びを得て、成長したいタイプの人間です。行動する、失敗する、学ぶ、成長する、のサイクルを自分の中で回していき、野球人生で得た「チーム力」「組織力」を活かし、挑戦できる組織をつくりたいと思っています。自分で実現したいと思ったことは、早いタイミングで口にして、公に発信することで退路を断ち、自分が挑戦する道しか残さないように心がけています。野球でも、ビジネスでも、結局は、全て自分で手繰り寄せるしかありません。今後のスポーツ選手のセカンドキャリアを支えるためにも、スポーツと野球と社会を繋ぐ仕組みを、私自身がつくれるような存在を目指しています。


情熱とビジネスを両輪することへの尊敬、コミュニケーションを大事に

引退してからテレビ番組を通じて機会を頂き、様々な企業や経営者の方とお話することができました。けん玉メーカーのイワタ木工様(広島県廿日市市)や、錦鯉の養殖を営んでいる小西養鯉場様(広島県広島市)、万年筆のメーカーであるセーラー万年筆様(広島県呉市)等へ、実際にお邪魔しました。皆さんのお話を聞く中で感じたことは、「ものづくり企業として、想いが一貫している」ということでした。周囲のトレンドや、売りたい・お金儲けしたいという感覚ではなく、商品そのものへの愛が強く伝わってきました。自分たちが愛しているものと、時代のニーズを合わせ、ビジネスとして成立させていることに感動しました。私自身が、本当の意味で根本から野球に情熱を持って取り組めた期間が短いと感じていることもあり、自分達の情熱とビジネスを両輪させていることに尊敬します。

私自身は、まだ経営者としては、駆け出したばかりですが、こだわっていることがあります。それは、「人とのコミュニケーションを大事にする」ということです。コロナ禍でオンラインが広がり、より便利になった部分もあります。ただ、私は、自他共に認める「熱量」が高い人間です。オンラインでは、この熱量は十分に伝わりません。人とのコミュニケ―ションでは、顔を突き合わせ、お互いの熱量を伝え合いたいと思います。

コミュニケーションの中でも、特に「挨拶」は大事にしています。野球選手時代、当時の当たり前は「挨拶は後輩から」でした。ただ、何人かの先輩は「おう、安部、おはよう!」と声をかけてくれました。「名前を呼んでくれたこと」「先輩から挨拶してくれたこと」この2つに、私自身が、驚いたこと、嬉しかったことを覚えています。それからは、なるべく自分から相手の名前を呼んで挨拶するようにしました。挨拶から生まれる会話を楽しむことで、人とコミュニケーションを深めていくよう心がけています。


チャレンジを加速するためにM&Aも活用、経営者に学び、共に成長したい

広島でも人口減少・少子高齢化が進んでおり、社会課題だと認識しています。私がお邪魔したものづくり企業も、人がいないと作れないし、売ることができません。一方で、イワタ木工様のように、けん玉製造の技術を活かし、木の花瓶をつくる等、世界的にも評価されている企業も、広島にはたくさん残っています。子供の教育や健康に関わりたいと思ったのも、人口減少の地域に私がどのように貢献できるかを考えた結果です。

ビジネスとしてスタートする中で、M&Aも積極的に活用したいと考えています。M&Aで実現したいことは、今はシンプルに「社長という職業に挑戦したい」です。野球を通じて学んだチームの力を、より勉強して、私なりの改良を重ねることで、ビジネスというフィールドで活かしていきます。譲り受けた会社のよい文化を継承しつつ、覇気を届けることで、チームを活性化させて、企業をよくすることに挑戦してみたいです。

M&Aは時間を短縮するのにもよい手法です。セカンドキャリアとしてビジネスというフィールドで挑戦する私にとって、野球界にいた分、チャレンジするタイミングは遅かったと思っています。株式の保有割合には必ずしもこだわりません。私が目指す「挑戦する組織」をつくるために、M&Aを通じて、後継者に課題を持つ経営者さまや、一緒に事業成長を目指したいと考えていただける経営者さまと一緒に、成長していきたいです。ビジネス経験の浅い私一人ではできることは限られますが、クレジオ・パートナーズやその他の専門家の方々とタッグを組みつつ、新しい分野に持ち前の熱量と行動力で挑戦し、将来的には、同じスポーツに身を捧げた後輩達のための道筋をつくり、彼らにセカンドキャリアについて伝えていけるような存在になりたいと思っています。

一人では分からないことだらけです。これから色んな方と出会い、今までは全く考えられなかった挑戦ができることを楽しみにしています。経営者の皆さまには、先輩として勉強させて頂きつつ、教育・健康の分野でぜひご一緒させて頂きたいです。



概要

会社名株式会社HAKI Pro
代表者名代表取締役 安部 友裕
創設年2023年3月24日
事業内容教育・健康分野での新規事業の立ち上げ等
所在地広島県広島市中区堺町1丁目8番



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クレジオ・パートナーズ株式会社のご紹介代表者 :代表取締役 李 志翔
所在地 :広島市中区紙屋町1丁目1番17号 広島ミッドタウンビル3階
設立  :2018年4月
事業内容:
 ・M&Aに関するアドバイザリーサービス
 ・事業承継に関するアドバイザリーサービス
 ・資本政策、企業再編に関するアドバイザリーサービス 等
URL  :https://cregio.jp/

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