徹底比較!中国地方の上場企業の売上高・営業利益率分析
中国地方の上場企業95社を対象に、売上高と営業利益率を徹底比較しました。
本記事では、売上高ランキング上位企業だけでなく、営業利益率の高い企業もピックアップし、地域企業の収益力やビジネスの強みを分析しています。単なる規模の大きさでは見えない「稼ぐ力」を明らかにすることで、中国地域経済の実態をわかりやすく整理しました。
目次
中国地方の上場企業の売上高・営業利益率比較
中国地方の上場企業は95社です。
下記の表は当該95社の売上高と営業利益率を基準にマッピングしたもので、各都道府県別に色分けしています。
こちらの表で確認できるのは、①売上高1,000億円未満、②営業利益率がマイナスの会社は少ない、という点です。
ここから「中国地方の上場企業は、確かな営業基盤をベースに、しっかり稼いでいる。」と言うことができます。そういった意味で、中国地域の上場企業へ提案する際は、着実なご提案が好まれるかもしれません。

(出典:各社IR資料等に基づき筆者作成)
※なお、表の見やすさを確保するため、下記の企業を上記表から除いています。
①マツダ 売上高 35,646億円 / 営業利益率 2.3%
②ファーストリテイリング 売上高 22,905億円 / 営業利益率 11.2%
③中国電力 売上高 13,769億円 / 営業利益率 1.4%
中国地方の上場企業の特徴と売上高・営業利益率ランキング
中国地域の上場企業の売上高上位3社、営業利益率上位3社は以下のとおりです。
広島県|製造業の売上規模 × ニッチ企業の高収益
| 売上高 | 営業利益率 | |||
| 1位 | マツダ | 35,646億円 | ローツェ | 18.5% |
| 2位 | 中国電力 | 13,769億円 | 自重堂 | 13.0% |
| 3位 | イズミ | 7,321億円 | アスカネット | 12.9% |
岡山県|化学・教育・小売など多角的な産業構造
| 売上高 | 営業利益率 | |||
| 1位 | クラレ | 5,758億円 | 滝澤鉄工所 | 10.0% |
| 2位 | ベネッセHD | 4,394億円 | クラレ | 9.4% |
| 3位 | 大黒天物産 | 1,834億円 | サンマルクHD | 9.1% |
山口県|全国企業と基幹産業が支えるハイブリッド型市場
| 売上高 | 営業利益率 | |||
| 1位 | ファーストリテイリング | 22,905億円 | 山口FG | 20.5% |
| 2位 | 東ソー | 8,614億円 | アルファクス・フード・システム | 18.2% |
| 3位 | 宇部興産 | 7,301億円 | 東ソー | 12.3% |
鳥取県|製造業と食品ブランドが存在感を発揮
| 売上高 | 営業利益率 | |||
| 1位 | 寿スピリッツ | 407億円 | 日本セラミック | 16.8% |
| 2位 | 日本セラミック | 185億円 | 寿スピリッツ | 14.5% |
| 3位 | 鳥取銀行 | 142億円 | 鳥取銀行 | 11.3% |
島根県|金融が地域経済を支え、地場企業が安定成長
| 売上高 | 営業利益率 | |||
| 1位 | 山陰合同銀行 | 908億円 | 山陰合同銀行 | 19.7% |
| 2位 | ジュンテンドー | 435億円 | 島根銀行 | 5.8% |
| 3位 | 島根銀行 | 85億円 | ジュンテンドー | 0.0% |
※地域金融機関については、経常利益率を営業利益と仮定。
各県における上場企業の売上規模や営業利益率を俯瞰することで、その地域経済の特色が把握できます。
中国地方の上場企業は安定性と収益力を兼ね備える
中国地域の上場企業95社を売上高と営業利益率の両面から比較することで、規模だけでは測れない稼ぐ力やビジネスモデルの違いがより鮮明になりました。マツダ・ファーストリテイリングといった全国的な大企業に加え、製造業・食品・サービスなど、地域に根ざした高利益率企業も多く、中国地方の産業構造は想像以上に多様で強靭です。
売上高では産業を支える大企業の存在感が際立つ一方で、営業利益率ではニッチ領域で高収益を上げる中堅企業が上位に並びます。これらの傾向から、中国地域の企業は「安定的な営業基盤」と「独自の収益モデル」を併せ持つことが明らかになりました。
投資判断・事業提携・営業戦略・M&Aなど、どの視点でも売上規模と利益率の両方を分析することが、地域企業の実力を正しく把握する鍵となります。本記事の比較データが、中国地方の企業を理解し、より実効的な経営判断や戦略立案の一助となれば幸いです。
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