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コラム COLUMN

M&Aによる事業承継とは?第三者に事業を引き継ぐメリットを解説


後継者不在率の高まりと経営者の高齢化により、全国的に事業承継が課題となる中、第三者へM&Aを通じて事業承継を行うことが注目されています。「親族内承継」「従業員承継」ではなく、「第三者へと事業を引き継ぐM&A」に、そもそもメリットはあるのでしょうか?事業承継に悩む経営者へ向けてM&Aによる事業承継のメリットをまとめました。

記事のポイント

  • M&Aによる事業承継には様々なメリットが存在。
  • 「オーナー経営者」「会社」「従業員」「取引先」それぞれにメリットがある。
  • 地域経済にとっても事業承継は課題。M&Aを活用することで、地域の雇用継続と経済成長を実現。

M&Aによる「事業承継」のメリットとは?

「事業承継」は、①親族内承継、②従業員承継(MBO)、③第三者承継(M&A)という3つのタイプが存在します。

参考:事業承継の基本!3つのタイプを解説

その中でも「③第三者承継(M&A)」が事業承継を解決するための手法として注目されています。では、事業を営む経営者にとって、M&Aを通じて事業承継することにどのようなメリットがあるのでしょうか。

M&Aによる事業承継のそれぞれのメリット

「現在、70歳です。後継者がいません。子供は東京に出てしまい、従業員を経営者へと育成しようと思いましたが諦めました。事業は今のところ波はありますが順調です。ただ、コロナの影響もあり、この先の経営は不透明なところがあります。事業承継で『M&A』という選択肢を聞いたのですが、うちがM&Aするメリットってあるんですかね?」

近年、事業承継の選択肢として、M&Aを選択するオーナー経営者が増えています。M&Aによる事業承継とは、オーナー経営者が自社の株式を第三者である事業会社に譲渡し、経営権を第三者に譲ることで、自社の事業を引継ぎ、継続することです。端的に言うと、M&Aによる事業承継は売手にとって、以下のメリットがあります。

  1. 自社事業を継続する。(社名が残ることも多い)
  2. 買手との相乗効果(シナジー効果)によって、売手の事業の成長・発展が期待できる。
  3. 雇用を継続する。
  4. 取引先・仕入先との取引を継続する。
  5. オーナー家株主に株式譲渡代金が入る。
  6. オーナー経営者の個人保証を解消できる。

それぞれのメリットが誰にとって利益があるかを整理すると、上記1・2は会社にとってのメリットであり、3は従業員にとってのメリット、4は取引先にとってのメリット、5・6はオーナー経営者にとってのメリットとなります。このように会社を取り巻く多くの利害関係者に、メリットをもたらすのがM&Aによる事業承継であり、後継者のいないオーナー経営者にとって、M&Aは、自社の事業・雇用継続と自身の仕事の引継ぎ・引退を着実に行える、非常に有力な事業承継手法です。今後、M&Aによる事業承継は益々増加するものと思います。


従業員・取引先・銀行など各関係者への責任を一身に背負うオーナー経営者にとって「事業を引き継ぐ道筋を立てることができる」ということは、非常に重要なメリットです。他方、事業承継は単純な株式の所有権の話だけではなく、「M&A後の事業をどうするのか?」という経営そのものの課題にも論点が集まるケースも多く、「事業を引き継ぐ」ことと、「経営課題を解決する(経営課題へのソリューションを持った買手を探す)」ことの論点が混ざってしまう場合もあります。

双方の課題解決となるような買手企業が見つかる場合はストーリーとしては美しいですが、もし片方しか解決できない場合、特に「事業を引き継ぐ」という課題のみが解決できる場合、引き続き経営課題へのソリューションをどうするかという問題があります。M&Aを行うと、M&A後の株式の所有権は買手企業となりますので、それぞれがビジネスパートナーとして相談しながら、数年をかけて経営課題へのソリューションを見つけ出し、実行していくということも可能です。M&Aを実施した経営者の中には、M&A後にグループ傘下となり、代表者保証が外れ、これまでの重責から解放されたことで、「グループ利益の貢献のために事業意欲が出てきた」とおっしゃる方もいらっしゃいます。売上や利益等の数値上でM&Aを検討することは一般的ですが、こういったビジネスパートナーを獲得するという意味においてもM&Aは一定の効果を有します。

ただし、M&A実行の際は、オーナー経営者としての利益=すなわち株式をいくらで購入してくれるのか、という論点も非常に重要であるため、様々な視点でバランスを保ちながらM&Aを進めることが重要となります。

M&Aによる事業承継は「地域」にもメリットがある?

「事業承継は地域において課題である」と言われています。中国・四国地域における2019年の後継者不在率は以下のとおりで、全国においても65.2%となっており、非常に高い割合で推移しています。日本の企業の99%は中小企業であり、日本の従業者の約70%は中小企業で働いており、地域経済の源泉となるのは中小企業であることはご承知のとおりです。地域においてM&Aで会社が存続することは、地域で産み出す付加価値・所得・税収や産業・伝統・技術を守ることでもあり、地域経済・地域社会にとっても意義が大きいことと言えます。後継者不在の中小企業をM&Aで存続させ、雇用を継続することは、日本の経済成長においても重要なことなのです。

【中国・四国地域の後継者不在率】

(中国地域の後継者不在率)
鳥取県:76.0%(全国2位)
島根県:70.9%(全国7位)
岡山県:61.8%(全国29位)
広島県:73.1%(全国4位)
山口県:74.7%(全国3位)



(四国地域の後継者不在率)
徳島県:49.0%(全国42位)
香川県:46.1%(全国46位)
愛媛県:62.0%(全国28位)
高知県:58.5%(全国34位)

(出典:帝国データバンク「全国・後継者不在企業動向調査(2019年)」)


【日本における中小企業の割合】

(出典:中小企業庁「中小企業・小規模事業者の数(2016年6月時点)の集計結果」)




おわりに

M&Aによる事業引継ぎを検討していく際、もしくはM&Aを検討しようか悩む際に、「そもそも何故M&Aで事業引継ぎをするのか?」と悩まれる方もいらっしゃると思います。それぞれの会社ごとに、必要性やメリット・デメリットは異なりますが、今回取り上げたように、M&Aによる事業承継は様々なメリットを有しているということも、悩まれた際のご参考になれば嬉しいです。


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クレジオ・パートナーズ株式会社のご紹介代表者 :代表取締役 李 志翔
所在地 :広島市中区紙屋町1丁目1番17号 広島ミッドタウンビル3階
設立  :2018年4月
事業内容:
 ・M&Aに関するアドバイザリーサービス
 ・事業承継に関するアドバイザリーサービス
 ・資本政策、企業再編に関するアドバイザリーサービス 等
URL  :https://cregio.jp/

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