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コラム COLUMN

AIを活用し物流業を効率化、データサイエンスを武器に社会課題を解決|株式会社Logpose Technologies

AIとデータ活用を通じて、物流業の効率化に向けて、AI 配車アシスタント「LOG(ログ)」と、共同配送に特化したノンアセット型3PL「LOG-3PL」を提供する株式会社Logpose Technologies。資本を活用した資金調達を通じて事業を加速。サービス立ち上げの経緯や、資金調達のストーリーに加え、理念として掲げる「世界中の荷物情報を整理して流通を最適化する」から垣間見える未来の物流業や地域企業への想いを、同社代表取締役CEO 羽室 行光 氏にインタビューしました。

AIを活用することで複雑な配車業務を効率化、世界の荷物情報の集約を実現

物流業コンサルから、IT企業を経て、物流業向けのサービスを開発

Logpose Technologiesは物流業界向けにソフトウェアの開発をしています。具体的には、あらゆる情報を考慮して最適化を行うLOGアルゴリズムを搭載した自動配車システムであるAI 配車アシスタント「LOG(ログ)」と、共同配送に特化したノンアセット型3PL「LOG-3PL」を開発・販売しています。

私のキャリアとしては、新卒で船井総研というコンサルティング会社に入社しました。主に物流業界を担当し、売上10~100億円規模の運送会社様の業務フローの改善等をご提案していました。その後、サイバーエージェントに転職し、インターネットメディアであるAbema TVの担当しながら、一通り事業開発を経験することができました。2020年にちょうどコロナ禍に入り、時間を持て余すことがあったので、様々な業界の人と話すように心がけていました。その時に、船井総研時代にお付き合いがあった静岡県の物流会社の経営者とお話する機会があり、「物流業もコロナ禍で大変だ」「配車を自動化したい」という声を聞きました。

サイバーエージェントは当時、副業を認めていましたので、私も2018年から法人登記し、副業としてデータコンサルティングをしていました。なので、「思い切って創業!」というようなハードルはなかったですね。現在、当社の取締役CIOであり、専修大学商学部の教授も務める中原と出会い、彼がデータサイエンスのプロフェッショナルなのでデータを活用したビジネスを立ち上げるために会社を立ち上げたという流れでした。物流業界の課題を聞く中で、「自分達のデータサイエンスの技術が課題解決に貢献できる」と思ったのが、現在のAI 配車アシスタント「LOG(ログ)」を開発したきっかけです。


AI・データを活用し、物流業の効率的な配車を実現

AI 配車アシスタント「LOG(ログ)」は、物流業における運送や卸をしている企業を対象とした“毎日の配車業務で使える”にこだわった自動配車システムです。物流業の構造を簡単に説明すると、大きく3つに分かれます。1つは、東京-大阪間等の比較的長距離を運ぶ“ファーストマイル”と呼ばれる企業群。その次に、飲食店・スーパー・ドラッグストア等の施設に卸していくような“ミドルマイル”、最後に“ラストマイル”と呼ばれる消費者に直接届ける企業です。

我々がメインとしているお客様は、私が船井総研時代に担当していた売上高10-100億円規模で車輛台数を30台以上保有する“ミドルマイル”と呼ばれる中小・中堅の物流を担う企業です。ミドルマイルの企業では、日々顧客から商品を「どこに」「いつまでに」運んで欲しいという発注情報が届きます。配送ルートが固定されている場合もありますが、多くはオーダーメイドで、他の発注情報も併せて、「荷物(重量・体積)」「納品先住所」「軒先状況」「ルート」「トラック」といった様々な複雑な情報を元に、配車担当の方が効率的な計画を組、ドライバーの方に伝えるという作業が発生しています。

AI 配車アシスタント「LOG(ログ)」はこれらの複雑な条件を、事前に必要な情報を登録し、発注情報を入力することで、最適な配車ルートを組み上げ、ドライバーのスマートフォンに届け、リアルタイムで配送状況を確認できるシステムです。これまでは、トラックにも2t、4tと種類があって、通れる道や、荷物を降ろせる軒先の条件によっては小さなトラックじゃないといけなかったり等、様々な情報を考慮して、これを人間の手で日々作成する必要がありましたが、AIを活用してデータ解析することで、最適なルートを提案し、配車担当者の業務を効率的に実施することができるようになります。


6時間の配車業務がわずか30分へ短縮、配車業務の属人化を解消し、経営を可視化

実際にLOGを利用したお客様の声で嬉しかったのは、これまでは配車業務に日常的に6時間必要だったのが、30分以内に収まるようになったとおっしゃっていただいたケースです。LOGを導入するメリットは大きく2つあります。一つは、お伝えしているとおり「配車業務の効率化」であり、その分の人件費を他の業務に充てることができます。もう一つが、「配車業務の属人化の解消」です。先ほどお伝えした企業には、2拠点あり、各拠点で1人ずつ配車担当が在籍し、会社全体で2名しかおらず、その2人しか配車業務はできませんでした。LOGを活用することで、これまでは属人的に把握していた情報をデータ化し、AIが解析できるようになることで、配車業務を担える人材が4人に増え、誰でも配車できるようになりました。これにより、配車担当の誰かが休んだとしても、別の方が配車業務を代わることが可能です。

その他にも、売上・利益率・稼働率が把握できるので経営管理に活用することもできますし、CO2排出量等も把握することができます。現在、徐々に利用していただく企業様が増えており、ミドルマイルだけでなく、お弁当屋さん等、日々どこかに配達することが必要な軽貨物の企業様にも利用頂いています。何かを運ぶ煩雑な業務を抱える企業であれば、経営管理情報も含めて全部可視化できるので、価値を感じて頂いていることを実感します。

「世界中の荷物情報を整理して流通を最適化する」、ミッションから垣間見る未来の物流

我々はミッションとして「世界中の荷物情報を整理して流通を最適化する」を掲げています。日本の物流の大きな課題はドライバー不足が騒がれていますが、統計では現在のトラックの平均積載量は38%で、残りの約6割は空気を運んでいることになっています。ドライバー不足で本当に物が運べなくなる可能性があるという割には、めちゃくちゃ非効率な運用をしているというのが物流業の実態です。非効率な要因は様々だと思いますが、一つの解決策として、データを一つに集約しながら、そのデータをもとに効率的なオペレーションを実現する方法があります。物流はなくてはならないインフラなので、そのデータを我々が集約して物流を最適化します。将来を考えると、自動トラックやドローンを活用した無人配送という未来がすぐそこまで来ているので、全てが自動化された機械に対して「ここからここまで荷物運んでね」と伝えることは必要です。LOGというサービスのアルゴリズムを用いて、配送に必要なデータをハードウェアに伝達することで、効率的な物流が実現できたらなと思い、今、その世界観の実現に向けて動いている感じですね。



異例のスピードで投資決定、資金調達で事業の基盤を整備

現在、当社は、ジェネシア・ベンチャーズというVCから出資を受けています。ジェネシア・ベンチャーズさんとの出会いは「ここと一緒にできたらいいよね」と考えるVCのリストを作成し、メッセージを送ったことから始まりました。そんなに多くはないですが、リストアップしたVCに連絡した時に、ジェネシア・ベンチャーズさんが一番早くご返信をいただき、担当者の方との話も合いましたし、面談してから10日間で投資決定となりました。他のVCからのオファーもありましたが、ここまでしてくれたこともあり、「今回はジェネシアさんだけでやりたいです」と伝えてお断りしました。後で担当者に聞くと、ジェネシア・ベンチャーズの中でも異例のスピードだったそうです(笑)。

現在の資本政策は、事業の土台が出来上がるまでは、ステークホルダーを少なくして、事業づくりを最大化したいと考えています。融資も活用しながら事業を拡大しつつ、今後は我々の事業と相性がよい事業会社との連携も考えていきたいと思っています。株主の皆さまとのコミュニケーションも重要ですが、より事業を加速できるよう、我々の世界観に共感し、一緒に実現に取り組んで頂けるようなところと連携していきたいです。地域金融機関のような、地域の物流業とネットワークを持っているところとの連携も考えられるかもしれません。

将来的な出口戦略としては、IPOを目指しています。基本的には事業を最大化するための経営戦略として何が最適化を第一優先にしたいと思っているので、IPO前にグループとして拡大することも含めて、M&Aは経営戦略の一つとして毛嫌いせずにフラットに捉えています。

地域の物流業を誇りを持って働ける場所へ、人間味ある経営者を支えたい

いわゆる「物流業の2024年問題」と呼ばれるように、働き方改革関連法の本格施行により、2024年は物流業にとって大きな変化がある年だと思います。Logpose Technologiesは、2023年12月に「物流2024年問題ソリューション調査」を公表しました。物流業界の一番の課題であるドライバー不足という問題に対して、共同配送のシミュレーションをすると、トラックの積載率(輸送力)は11%改善が見込め、荷主側が指定時間を緩和することで、最大18%輸送力向上し、CO2排出量の削減・走行距離の短縮を同時に実現することができるという結果になりました。

このシミュレーションデータをもとに、共同配送に特化したノンアセット型3PL「LOG-3PL」という新しいサービスを立ち上げました。物流の考え方が「競争」から「共同」へ変化する中で、複数の荷主の荷物を1台のトラックで運ぶ「共同配送」を実現することで、ドライバ-不足を解消することを目指します。共同配送×AI最適化アルゴリズムにより、日々の物量変動に柔軟に対応し、非効率を最小限に抑え、荷主の皆さまのコスト削減と、運送事業者の皆さまが空きリソースを有効活用して利益を最大化できることを実現させ、両者に最適な配送ソリューションを提供します。

物流を支えているのは、間違いなく地域の中小・中堅企業の皆さまです。事業を立ち上げたきっかけも、静岡の経営者とのお話したことでした。我々としては、地域企業に思い入れがあります。物流業に関わる皆さんは、人間味ある人が多く、僕はそういう人が好きですね。私たちがAIとデータを活用することで、物流業の労働環境を見直しながら、働きやすい環境を整え、誇り持って働ける場所にしていくことに貢献したいと思います。



概要

会社名株式会社Logpose Technologies
代表者名代表取締役CEO 羽室 行光
創業年2021年3月
資本金80百万円
本社所在地東京都渋谷区道玄坂1丁目12−1 渋谷マークシティW22F
事業内容物流向けソフトウェアの開発・販売
HPhttps://logpose.co.jp/



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クレジオ・パートナーズ株式会社のご紹介代表者 :代表取締役 李 志翔
所在地 :広島市中区紙屋町1丁目1番17号 広島ミッドタウンビル3階
設立  :2018年4月
事業内容:
 ・M&Aに関するアドバイザリーサービス
 ・事業承継に関するアドバイザリーサービス
 ・資本政策、企業再編に関するアドバイザリーサービス 等
URL  :https://cregio.jp/

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