スタートアップ支援制度一覧|カオスマップで見る補助金・融資・税制まとめ
スタートアップ支援制度には、補助金・融資・税制優遇など多くの選択肢がありますが「自社に使える制度がわからない」と悩む方も少なくありません。
制度ごとに対象要件や活用フェーズが異なるため、一覧を見ただけでは実務に落とし込むのが難しいのが実情です。
本記事では、経済産業省のスタートアップ支援制度一覧をもとに、成長フェーズ別に使うべき制度をカオスマップで整理し、実務目線で解説します。
目次
スタートアップ支援制度とは?全体像を解説
スタートアップ支援制度とは、創業前後から成長期にかけての企業を対象に、資金調達・税制・人材・事業開発などを支援する公的制度の総称です。代表的なものとしては、補助金や融資、税制優遇、アクセラレーションプログラムなどが挙げられます。
経済産業省が公表している「METI Startup Policies ~スタートアップ支援策一覧~」は、こうした制度を体系的に整理した資料であり、起業家・スタートアップ企業・投資家・大学など、スタートアップエコシステム全体に向けた支援策が網羅されています。
この資料には、資金調達支援に加え、規制改革や海外展開支援なども含めた多様な施策が掲載されており、その数は合計69件にのぼります。スタートアップにとっては、自社の成長フェーズに応じて活用できる制度を俯瞰できる点が大きな特徴です。

参考:経済産業省「「METI Startup Policies ~経済産業省スタートアップ支援策一覧~」を取りまとめました」
一方で、網羅性が高い反面「自社に使える制度はどれか」「どのタイミングで活用すべきか」といった実務的な判断は、この一覧だけでは難しいのが実情です。
そこで本記事では、この支援策一覧をもとに、スタートアップの成長フェーズや目的に応じて制度を再整理し、「どの制度を・いつ使うべきか」がわかる形で解説していきます。
スタートアップ支援制度一覧【カオスマップ】
本章では、経済産業省が公表しているスタートアップ支援施策をもとに、全体像を把握しやすい「カオスマップ形式」で整理しています。
まずは全体像を俯瞰し、自社がどの領域に該当するのかを確認していきましょう。
経済産業省が公表したカオスマップ
経済産業省の別冊資料には、スタートアップ支援施策を整理したカオスマップが掲載されています。
この資料では「起業前」「シード」「アーリー」「ミドル」「レイター」といった成長フェーズごとに加え、「事業会社・投資家」「研究機関・大学」「自治体」など、スタートアップを取り巻く多様なステークホルダーに対応した支援策が体系的にまとめられています。
一方で、網羅性が高い反面、「どの制度をいつ使うべきか」「自社に該当する施策はどれか」といった実務的な判断はしづらく、初見では活用イメージが掴みにくい構成となっています。
まずは全体像を把握するために、原典のカオスマップをご覧ください。

参考:https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/meti_startup_policies/bessatu_220621.pdf
カオスマップをスタートアップ目線で再編集
そこで本記事では、経済産業省のカオスマップをベースに、スタートアップ目線で再整理を行いました。特にシード・アーリー期の企業が実務で活用しやすい支援施策にフォーカスし「資金調達」「税制」「アクセラレーション」などの機能別に分類しています。
また、「事業会社・投資家」や「研究機関・大学」向けの施策、地域限定の支援制度は一部除外し、より実務で使いやすい形に絞り込んでいます。
再編集したカオスマップは以下のとおりです。
このカオスマップの見方

本カオスマップは「支援内容」と「提供主体」を軸に整理しています。まずは自社のフェーズ(起業前・シード・アーリーなど)を確認したうえで、該当する領域の支援制度を横断的に見ていくのが基本的な使い方です。
例えば、資金調達を検討している場合は「融資」「補助金」のカテゴリを中心に確認し、事業の成長やネットワーク拡大を目的とする場合は「アクセラレーションプログラム」や「海外展開支援」をチェックするとよいでしょう。
また、制度ごとに対象要件や活用タイミングが大きく異なるため、「使えそうな制度を広く把握する」ことと同時に「自社の事業内容や成長戦略に合致しているか」という視点で絞り込んでいくことが重要です。
カオスマップはあくまで全体像を俯瞰するためのツールであり、ここから気になる制度をピックアップし、詳細を個別に確認していくことで、実務に落とし込むことができます。
主要なスタートアップ支援制度一覧(厳選)
カオスマップに掲載されている支援制度の中から、特にスタートアップが実務で活用しやすい代表的な制度をカテゴリ別に紹介します。まずは主要な制度を把握し、その後に必要に応じて詳細な一覧を確認する流れがおすすめです。
融資(創業初期に検討すべき制度)
創業期の資金調達として最も現実的なのが日本政策金融公庫の融資制度です。自己資金が少ない場合でも利用しやすく、多くのスタートアップが最初に検討する選択肢となります。
- 新規開業支援資金
- 新創業融資制度
- 創業支援貸付利率特例制度
補助金(研究開発型スタートアップ向け)
NEDOなどが提供する補助金は、研究開発や技術開発を伴うスタートアップに適した制度です。一方で、サービス業や非研究開発型のビジネスでは対象外となるケースも多いため、事前に要件の確認が重要です。
税制(投資・インセンティブ設計)
税制優遇は直接的な資金提供ではないものの、投資促進や人材確保の観点で重要な制度です。特にストックオプション制度はスタートアップにおいて重要なインセンティブ設計となります。
アクセラレーション(成長支援・ネットワーク構築)
事業成長を加速させたい場合は、アクセラレーションプログラムの活用も有効です。メンタリングや資金調達支援、事業会社との連携機会を得ることができます。
海外展開・連携支援
海外市場への進出やグローバル連携を検討する場合は、JETROなどの支援制度が有効です。海外ネットワークの構築や現地展開のサポートが受けられます。
その他のスタートアップ支援制度一覧(詳細)
上記以外にも、多くの支援制度が存在します。以下に網羅的に掲載していますので、必要に応じてご確認ください。
すべての支援制度一覧を見る
知財
規制改革
表彰
その他
支援制度はどこで探す?
スタートアップ支援制度は経済産業省だけでなく、複数の機関が提供しており、目的や成長フェーズによって探すべき情報源が異なります。そのため、1つのサイトだけを見るのではなく、主要な情報源を横断的にチェックすることが重要です。
まず基本となるのが、経済産業省や中小企業庁の公式サイトです。スタートアップ支援策の全体像や最新の制度動向を把握するうえで欠かせない情報源であり、「METI Startup Policies」などの資料を起点に全体を俯瞰することができます。
次に、海外展開やグローバル連携を視野に入れている場合は、JETROの支援制度も有力な選択肢となります。海外進出支援や現地ネットワーク構築、アクセラレーションプログラムなど、国内制度とは異なる支援が用意されています。
また、見落とされがちですが、自治体が提供する支援制度も重要です。創業支援補助金やオフィス支援、税制優遇など、地域限定ながら実務で使いやすい制度が多く、特に創業初期においては活用しやすいケースが少なくありません。
このように、スタートアップ支援制度は提供主体ごとに特徴が異なるため「資金調達」「海外展開」「創業支援」など、自社の目的を明確にしたうえで情報源を使い分けることが、最適な制度選びにつながります。
スタートアップ支援制度の選び方
スタートアップ支援制度は数多く存在しますが、すべての企業にとって有効とは限りません。重要なのは、自社の事業フェーズと目的に合った制度を選ぶことです。
例えば、研究開発型のスタートアップであればNEDOなどの補助金が有効に機能しますが、サービス業やマーケティング主体のビジネスでは対象外となるケースも少なくありません。また、創業初期であれば融資制度や創業支援のほうが現実的に活用しやすい場合もあります。
支援制度は「使えるかどうか」ではなく、「自社の成長に本当に寄与するか」という観点で選ぶことが重要です。短期的な資金確保だけでなく、中長期的な事業戦略との整合性まで踏まえて判断することで、制度活用の効果は大きく変わります。
スタートアップ支援制度の注意点|使えない制度も多い理由
スタートアップ支援制度は充実しているように見えますが、実際には利用ハードルが高いものも多く存在します。
特に補助金については、研究開発要素が求められるケースが多く、すべてのスタートアップが対象になるわけではありません。また、採択率が低い制度も多く、申請に時間と工数をかけても必ずしも採択されるとは限らない点には注意が必要です。
融資に関しても同様で、制度上は利用可能であっても、最終的な判断は金融機関に委ねられるため、事業計画や実績によっては希望通りに資金調達できないケースもあります。
さらに、制度ごとに細かい要件や報告義務が設定されているため、「使える制度」ではなく「使い切れる制度かどうか」という視点も重要になります。
まとめ|スタートアップ支援制度は選び方が重要
スタートアップ支援制度は数・種類ともに非常に充実していますが、重要なのはそれらを網羅的に把握することではなく、自社にとって本当に意味のある制度を見極めることです。
制度の活用そのものが目的になってしまうと、本来の事業成長からズレてしまう可能性があります。あくまで支援制度は手段であり、顧客への価値提供と事業の成長を軸に据えたうえで、必要なものを選択していくことが重要です。
自社のフェーズ・事業内容・成長戦略を踏まえながら、適切に制度を活用することで、スタートアップの成長スピードは大きく加速します。
クレジオ・パートナーズ株式会社広島を拠点に、中国・四国地方を中心とした地域企業のM&A・事業承継を、仲介およびアドバイザリーの両面から支援しています。資本政策や企業再編のアドバイザリーにも強みを持ち、地域金融機関や専門家と連携しながら、中小企業の持続的な成長と後継者募集をサポート。補助金や制度活用の知見も活かし、経営者に寄り添った伴走型の支援を提供しています。
URL:https://cregio.jp/
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