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サウンディングとは?|M&A用語解説

M&Aにおいて、売り手企業*を買い手企業*にマッチングするプロセスの中で「サウンディング(または、タッピング)という言葉が使われます。「サウンディング」とは、M&Aを進める際に買い手企業へ打診するプロセスで一番最初に行われる簡便的なヒアリングです。M&Aで第三者へ会社の譲渡を検討し、M&A専門会社にサポートを依頼をした場合、M&A専門会社はどのように買い手企業にアプローチするのか、全体の流れを確認しながら解説します。
* 明瞭性を重視して、当該呼称を使わせていただきます。

記事のポイント

  • 「サウンディング」とは、買い手企業へ打診する初期的手法。
  • M&A専門会社は「売り手企業のM&Aに係る情報漏洩リスクの最小化」を行わなければならず、段階的な情報開示が必要。「サウンディング」は更なる開示ステップに進むためのフィルターの役割がある。

買い手企業へ打診する一般的なフロー

M&A専門会社が、売り手企業から依頼を受け、買い手企業へM&Aの打診を行う際のプロセスは、一般的に次のとおりです。

①サウンディング
 買い手企業の現時点での買収ニーズの確認。ある場合、加えて、買収ニーズの詳細把握

②ノンネームシート(NN)打診
 売り手企業の企業概要を匿名で簡素に、買い手企業に開示(業種、エリア、役職員、大枠の事業内容、大枠の業績など)

③インフォメーション・メモランダム(IM)の開示
 売り手企業の企業概要を実名で詳細に、買い手企業に開示(事業概要、財務概要、諸条件など)

これらの流れをフローで示すと以下のとおりです。

【参考:「サウンディング」と「タッピング」の違い】
当社では上記の①を「サウンディング」と呼んでいます。少し細かい説明ですが、M&A業界(特に中型以上のM&A業務において)では「タッピング」という言葉もあります。タッピングには(上記②の)NN打診をすることも含まれていますが、当社では明確に①と②は言葉と行動を切り分けて考えています。理由として、中堅中小企業のM&Aでは買い手企業のM&A戦略が明確でないことも多く、NN打診をする前の意思確認をする必要性が大きいからです。

サウンディングにあたって

「サウンディング」とは、「そもそもM&Aを行う可能性があるのか」「可能性があるのであれば、対象とする売り手企業(上記のフロー中のA社)は検討対象となるのか」を把握するために行う買い手企業への打診プロセスの一部となります。サウンディングにあたって大事なことは、「売り手企業の情報を伝える前に、買い手の現状をしっかりと確認すること」です。例えば、買収ニーズはあるが他の売却案件を真剣に現在検討しているという買い手企業がいます。当該買い手候補企業に対して、当該事実を把握せずに、大事な売り手企業のM&A情報を開示することは正しいことなのでしょうか?

変化のスピードが速い昨今の事業環境において、買い手企業の買収ニーズは流動的であることも多いです。組織体制・担当者の変更、予算の制限、経営者の意向の変化、本業へ集中するための原点回帰その他外部要因等により、昨日と今日の買収ニーズが変わっている場合も十分考えられます。そのため、以前買収ニーズを把握した買い手企業に対しても、案件ごとにサウンディングを行い、買収ニーズの再確認をすることが重要です。

実際の現場では、買い手企業と下記のようなやり取りをすることがあります。
・そもそも、貴社に買収ニーズは現時点ではありますか?
・前回お会いした時とは、中国地方に関心があるということでしたが、厳密にはどのエリアまで大丈夫ですか?
・建設業に関心があるということでしたが、公共メインの土木工事会社でも対象になりますか?
・一定の年商規模が欲しいということでしたが、当該規模を下回る案件でも検討いただけますか?

サウンディングの結果、買い手企業の買収ニーズが売り手企業に合致すると判断した場合、ノンネームシート(NN)で初期的な情報開示を行います。一方、買収ニーズがない場合や、買収ニーズの対象外であると判断した場合は、打診を中止します(そして、買い手企業の買収ニーズの更なる把握に努め、次以降の提案に生かします)。

サウンディングの留意点

M&Aにおいて、売り手企業を買い手企業にマッチングするプロセスの中で、M&A専門会社が注意すべき大前提は「売り手企業のM&Aに係る情報漏洩リスクを最小化すること」です。万が一、売り手企業のM&Aに関する情報が漏洩し、売り手企業の取引先が知った場合、売り手企業の経営悪化を疑われ、取引の見直しを検討されるかもしれません。売り手企業の従業員が知った場合、自分が勤める会社のの経営を不安に思い、会社に対してネガティブな感情を持つ方もいるかもしれません。その結果、M&Aのプロセスにも悪い影響を与える可能性もあります。

M&A専門会社は上記のような状況を避けるため、情報管理を徹底しなければなりません。しかし、売り手企業にとって、より売却ニーズに合うM&Aを進めるためには、複数の買い手企業に打診する必要がある場合が多いことも事実です。そこで、「厳密な情報管理と的確な打診の両立」のために、このように情報開示を段階的に行います。サウンディングは、不必要な情報開示を避けるための買収ニーズの確認であり、このひと手間をしっかりと踏むことで、サウンディングで得た情報が次の情報開示に進めるか否かのフィルターの役割を果たし、ひいては質の高いマッチングを実現させるスタートラインに導いてくれます。

おわりに

今回ご紹介した買い手企業へ打診するフローはあくまで一般的な例となります。場合によっては、売り手企業の売却ニーズにマッチしたベストな買い手企業候補1社のみに対して打診し、M&Aが成立することもあり、その形であれば情報管理リスクは極めて低いのですが、現実ではそういったケースは稀です。売り手企業側からすると、買い手企業の比較検討ができないため、「もっと良い相手がいるのではないか」と感じてしまい、ある程度条件に合った買い手企業が現れても、M&A譲渡の決断に踏み切れない場合もあります。いずれにしてもM&Aは秘匿性の高い情報を取り扱っており、情報管理を徹底するためのプロセスが重要となります。

P.S.参考までに、当社のyoutubeチャンネルでも解説をしています。良ければ、ご覧ください。

【M&A用語解説】サウンディングとは?



クレジオ・パートナーズ株式会社のご紹介代表者 :代表取締役 李 志翔
所在地 :広島市中区紙屋町1丁目1番17号 広島ミッドタウンビル3階
設立  :2018年4月
事業内容:
 ・M&Aに関するアドバイザリーサービス
 ・事業承継に関するアドバイザリーサービス
 ・資本政策、企業再編に関するアドバイザリーサービス 等
URL  :https://cregio.jp/

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