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M&Aで良い買い手が見つからない原因と解決策|買い手に選ばれる会社の特徴

M&Aで良い買手と巡り合うためには?買手が見つかりやすい会社のポイント

近年、後継者不在に悩む中小企業が増え、M&Aを選択肢とする経営者は年々増加しています。しかしその一方で、「買手が見つからない」「希望より低い評価額しか提示されない」といった課題も少なくありません。

買手が現れない最大の理由は、会社の魅力が伝わっていない・磨かれていないことにあります。M&Aは「売りたい時に売れる」ものではなく、「買いたくなる会社」を準備しておくことが成功のカギです。

本記事では、クレジオ・パートナーズが中四国エリアを中心に支援してきた数多くの実例をもとに、買手から選ばれる会社の特徴と、今すぐできる磨き方を整理して解説します。

条件の合う買手候補先が現れやすい会社の特徴

買手が評価するポイント<事業の健全性と成長性>

買手企業がまず重視するのは、事業の安定性と将来性です。最低限の規模感がないと、買手側が引き継いだ瞬間に事業が止まるリスクを避けられません。

  1. 事業規模が相応(目安として年商1億円以上、正社員数5人以上)
  2. 収益力が高い
  3. 内部留保が多い
  4. 銀行借入が少ない
  5. ストック型の業種(不動産管理業、ビルメンテナンス業など)
  6. スケールメリットの利く業種、再編盛んな業種(調剤薬局、保険代理店、卸など)
  7. 商圏の人口が多い
  8. 立地が良い
  9. 高い技術力を有している
  10. 独自のビジネスモデルを有している
  11. 許認可業種である
  12. 官公庁の入札実績がある
  13. 知名度が高い
  14. ブランド力が高い

とくに許認可業種や特殊技術を持つ会社、官公庁案件の実績を持つ会社は、買手側が新規参入しづらい分、価値が高く評価されやすい領域です。

また、借入が多い企業は買手にとって「買収後すぐ返済が負担になる」という懸念があり、候補から外れやすくなります。逆に、財務が適正に管理されている企業は、それだけで大きな加点ポイントとなります。

取引先に関するポイント

優良企業との取引が多い

取引先の信用度は、事業の安定性を測る重要な指標です。大手企業・官公庁・地域の優良企業との取引実績は、買手から高く評価されます。

取引先が分散している

売上が特定企業に依存している場合、買手にとっては「1社離れたら事業が一気に傾くリスク」が生じます。売上構成が分散している企業ほど、企業価値は高く評価されやすくなります。

社内体制・人材育成に関するポイント

どれだけ収益性が高くても、「社長しか業務を知らない」「社長一人がすべてを抱えている会社」状態では買手は不安を感じます。

近年は人材と組織の余力を求める買手が急増しています。買手が高く評価する組織面のポイントは以下の通りです。

  1. 社長が人材育成に熱心である
  2. 社長以外の取締役(管理、現場)がいる
  3. 取締役がいなくても、部長クラス(管理、現場)の責任者がいる
  4. 20代~40代の次世代又は若手社員が多い(60代、50代ばかりではない)
  5. 技術者・資格者が多い
  6. 営業は社長一人に依存していない
  7. 月次決算を行っている
  8. 社長・幹部・現場が数字に強い、採算意識・コスト意識が強い
  9. 職場がきれい、社員が挨拶をするなど、職場・社員に活気がある

職場環境や社員の士気も見えない価値

買手は、最終判断の前に必ず現場を見ます。

その際に注目するのが、挨拶・清掃・雰囲気・社員の表情など、日常の職場文化です。これらは財務諸表には表れないものの、事業の健全性・働く人の質を示す重要な評価ポイントです。

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社員育成を行っている会社は高く評価されやすい

事業規模の小さな中小企業は、一般的に買手候補が限られます。しかし、規模が小さくても複数の買手が手を挙げるケースは珍しくありません。

その共通点が「社長が人材育成に熱心である」という点です。

会社の一番の財産は「人材」です。経営者が人材育成に熱心な会社は、規模が小さくても、社員の営業力が高い、技術力が高い、資格者がいる、仕事の効率が高い、良い顧客が多いなど、買手候補先にとって魅力的に映ります。

最終的に買手が評価するのは「この会社は未来も価値を生み続けるか」です。人材は最も希少な経営資源であり、そこに投資してきた企業は長期的な安定企業として評価されやすくなります。

また、そのような会社は結果として一定の収益力も確保していることが多いです。人材育成に注力することは、将来のM&Aを進める場合にも有効な手段の一つです。将来を見据えて、今、何を行動に移すべきかが問われています。

売却を成功させるためのチェックリスト(実践編)

今からでも取り組める磨き直しポイントを整理します。

  • 過去の決算書・管理資料を整理する
  • 顧客構成の偏りを見直し、依存リスクを下げる
  • 経営幹部や次世代リーダーを育成し、社長の属人性を減らす
  • 取引実績・許認可・技術力・ブランド力を棚卸しして資料化する
  • 現場の体制・清掃・整理整頓・マナーなどの見える文化を整える
  • 人材の採用・育成への取り組みを継続し、社内に余力を作る

どれも一朝一夕ではできませんが、早く着手した企業ほど高い評価を得ています。

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まとめ|買い手に選ばれる会社づくりがM&A成功の第一歩

M&Aの成功は、偶然ではありません。良い買手と出会える会社には共通して以下の特徴があります。

  • 事業が安定している
  • 組織に余力がある
  • 将来に伸びしろがある
  • 価値が見える化されている

事業承継は単なる「売却」ではなく、会社の未来と社員の未来を守る大きな経営判断です。そのために必要なのは、買手から選ばれる会社に磨き上げておくこと。

クレジオ・パートナーズでは、会社の磨き直し → 買手探索 → 条件交渉 → 引継ぎ支援まで一貫してサポートしています。事業承継・M&Aを検討されている方は、お気軽にご相談ください。

クレジオ・パートナーズ株式会社広島を拠点に、中国・四国地方を中心とした地域企業のM&A・事業承継を専門に支援しています。資本政策や企業再編のアドバイザリーにも強みを持ち、地域金融機関や専門家と連携しながら、中小企業の持続的な成長をサポート。補助金や制度活用の知見を活かし、経営者に寄り添った実務的な支援を提供しています。
URL  :https://cregio.jp/

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