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【インタビュー】人材をベンチャーへ「レンタル移籍」、ローンディールが語る経営人材育成

人材をベンチャーへ「レンタル移籍」、ローンディールが語る経営人材育成

大企業ではイノベーションを創出する人材の育成が課題となっており、近年大手企業の人材を「ベンチャー企業へ出向」させ、ベンチャー企業特有の新規事業の立ち上げを経験することを通じた新たな人材育成の仕組みが注目されています。人材を育成したい大企業と、人材を受け入れたいベンチャー企業を「レンタル移籍」でマッチングさせる株式会社ローンディール 最高執行責任者 後藤幸起氏に、レンタル移籍の概要と経営人材育成についてインタビューしました。

(HP)株式会社ローンディール  https://loandeal.jp/


「レンタル移籍」の概要について、何故注目されているのかも含めて教えてください。

「レンタル移籍」は、人材育成をしたい大企業が人材を選び、当社のメンタリングを受けていきたいベンチャー企業を選び、出向先のベンチャー企業が決まれば、そこで6~12か月程度、事業立ち上げの実践経験を積むことで、人材育成を図る仕組みです。

変化が激しい、いわゆるVUCAの時代に入り、それぞれの企業がこれまでの延長線上に未来はないと気づき始めています。その中で求められるのは「リーダーシップ」を兼ね備え、「イノベーション」を起こせる人材です。そういった人材を育成するための仕組みとして「レンタル移籍」は注目されています。

人材を送る大企業側の課題やニーズについて教えてください。

人材育成の分野では、組織の枠を超え、自らの職場以外で学びを得る、いわゆる「越境学習」が注目されています。大企業をはじめ、多くの組織ではイノベーション創出やリーダー育成が課題と言われてますが、組織が成熟するほど、マネジメントが重要視され、効率的で無駄がない仕組みが構築されます。そうすると、人材が成長する機会=修羅場が減少します。

成長には圧倒的な「経験」が最も効果的です。所属する組織をベースとした「知の深化」を行うだけではなく、「知の探索」により、新しい知見を広げることがイノベーション創出に繋がります。これまで経験したことのない環境で、事業の失敗や、既定路線のない事業において窮地に追い込まれる等の「修羅場」=成長の機会が求められていますが、大企業ではそういった機会を見出すことが必然的に少なくなります。

その中で、ベンチャー企業では、正解がなく、不確実性が高い事業へ、挑み続けることが求められるため、ベンチャー企業で新規事業立ち上げを経験することで、圧倒的当事者意識を持ち、組織ではなく、「自分」起点で考えることで、未知に挑む人材を育成することができます。大企業においては、そういったイノベーション人材の育成手法が特に求められています。

何故、後藤さんがこの事業に取り組むのか教えてください。

実は、私自身がローンディールの仕組みを使った有料サービス利用第1号の「レンタル移籍」経験者でした。当時、技術者派遣をサービスとする社員200名程の会社に勤務しており、その中で、2年間広島県に赴任する機会もありました。技術者派遣の会社だったので、技術者は多く抱えていたのですが、新規事業のノウハウがなく、まだ立ち上がったばかりのローンディールの「レンタル移籍」を利用しました。

中小企業からですが、当時取締役だった私が「レンタル移籍」で10名未満の教育系のベンチャーに出向することになりました。これまで、採用や労務は経験がありましたが、全く未知の業界で、Web広告という未知の商材を自ら売るという経験の中で、走りながら考え、コストシビアな環境における「異次元のコスト意識」に触れ、日々、事業の価値を問い続け、価値を届けるべき顧客を再定義する中で、自分が組織の外でできること/できないことが突きつけられました。

当時の代表から「後藤さんが人生かけて解決したい課題は何ですか」と毎週のように問われる中、最初は考えたこともなかったのですが、次第に自分が何者なのかを、自分自身でも問うようになりました。

レンタル移籍を終え、自社内で行ったことは1年で1億円規模の2つの事業の立ち上げと、細かいところも含めて、ベンチャーで学んだことを活かしたコスト削減や改善でした。結果として、売上も伸び、利益は2倍に成長しました。確実に外での経験が活きていると感じることができました。当時の会社は、経営者の判断もあり、事業売却となりました。このベンチャーへのレンタル移籍を通じて得た価値を広めていきたいというのが自分のモチベーションになっています。

人材を受け入れるベンチャー企業について教えてください。

現在、約300社程度登録頂いており、シードからアーリーステージが多く、規模も5名以内の少人数から少し大きめのところ等様々です。単純にマンパワーが欲しいというベンチャーではなく、人材育成にも取り組んで頂けるベンチャーに絞っています。ベンチャー企業側にも料金をお支払いして頂く仕組みとなっており、大企業で教育を受けた基礎力のある即戦力人材を求めるニーズにお応えしています。

《ローンディール導入事例》

(出典:ローンディール社HPより)

ベンチャーへのレンタル移籍を経験する大企業人材について教えてください。

移籍前のメンタリングで、単にどこに行きたいかではなく、自分が何者で、何に関心をもって、何故やりたいかまで掘り下げた上で、一番共感できるベンチャーを選びます。レンタル移籍中の自己評価の推移を見ると、最初はモチベーション高く取り組んでいくのですが、2~3か月でガクッと下がり、そこからどんどん上昇していきます。下がるタイミングで「適応と学びなおし」を行い、そこから事業開発プロセスを理解し、マインドセットが変化し、最終的には圧倒的当事者意識を身に着ける傾向が多いです。最初にメンタリングで目的意識がはっきりしていることと、送り出してくれた組織への感謝もあり、強いコミットメントを持って仕事に取り組んでいる印象です。

移籍後の自社での活動は様々ですが、新規事業の立ち上げで活躍した方もいれば、移籍中に上司が変わったことで、なかなか理解を得られなくなってしまった等のケースもあります。レンタル移籍後も、卒業生同士でコミュニティに参加してもらうことで、それぞれのコミュニケーションの促進を行っています。

移籍すると「そのまま帰ってこない」ということはありますか?

実績だけでいうと、現在累計100名程度がレンタル移籍を行いましたが、100%組織に戻っています。単純に外へ出るだけではなく、送り出してくれた組織への感謝もあり、外で得た経験を組織に還元しようという傾向が強いです。また、一見華々しいベンチャー企業のリアルな現場を見たということも一つの要因だと思います。約90%が自らの希望で元の職場に帰っています。

経営人材の育成について後藤さんの考えを教えてください。

これまでの延長線上に未来はない中で、「リーダーシップ」を兼ね備え、「イノベーション」を起こせる人材は大企業だけでなく、あらゆる組織で求められいてます。私自身が中小企業からレンタル移籍の経験で、その後の事業を成長させたという体験もあり、組織が大企業程大きくなく、伸び代のある中小企業の方がインパクトとして大きいのではと、個人的には考えています。

当社が目指すのは、「日本的な人材の流動化の創出」です。諸外国のようなジョブホッピングによるキャリアアップではなく、終身雇用制度により築き上げた社会的な安定や調和を活かしつつ、挑戦したい人材に、その機会と移動の自由を提供することで、経営人材が育つ機会が生まれると信じています。

クレジオ・パートナーズ株式会社のご紹介代表者 :代表取締役 李 志翔
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設立  :2018年4月
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