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M&A事業承継

ホテル・旅館のM&Aまとめ!コロナ時代の観光業のM&Aとは?


ホテル・旅館についても、M&Aが活用されています。ただし、観光業は新型コロナウイルス感染症の拡大により、インバウンド観光客の減少等、コロナ前とは市場環境が一変しました。ホテル・旅館のM&Aについて解説し、コロナ時代における観光業のM&Aの背景や論点についてまとめました。


記事のポイント

  • ホテル・旅館業界は新型コロナウイルスの影響により、訪日外国人客数・延べ宿泊者数は大幅に減少。市場全体が冷え込み。
  • ビジネスの大きな要素は「不動産」。サービス提供の仕方も様々なタイプが存在。繁忙期・閑散期があり、稼働率維持が重要。
  • ホテル・旅館業界のM&Aの目的は、「不動産の取得」「人材の確保」「新事業展開」。コロナ禍でも積極的なM&Aを行う企業も見られる。

ホテル・旅館業界の市場動向と課題

ホテル・旅館業界の市場概況

訪日外客数・延べ宿泊者数の推移

新型コロナウイルスの影響により、訪日外客数が2020年は411万人(前年比87.1%減)となり、大幅な減少となっています。2019年までインバウンド観光客が年々増加していたため、市場環境が急激に変化しました。延べ宿泊者数についても、2020年は軒並み落ち込んでいます。ビジネスホテルの需要が大きく、次いで旅館、リゾートホテル、シティホテルとなっています。

(出典)JNTO「日本の観光統計データ」より当社加工

(出典)観光庁「宿泊旅行統計調査」より当社作成

事業の特徴

ホテル・旅館業の特徴として、まず大きな「固定資産」を持っていることが挙げられます。多くが所有する不動産を活用して、飲食・宿泊・ブライダル等のサービスを提供する業態となっています。コロナ前では、インバウンド観光客の増大と「AirBnB」のようなプラットフォームビジネスの登場により「民泊」が注目されていました。
ホテル・旅館業は、季節に応じて、繁忙期・閑散期があることも特徴であり、通年で部屋の稼働率維持が重要な指標となるビジネスです。近年はインバウンド観光客の来訪が多く、各国の休暇が存在するため、通年で稼働率を維持することも可能でした。スノーリゾート等の季節を限定したコンテンツを有する観光地では、夏の閑散期にどういった新しいコンテンツを用意するかが課題となっていました。
サービスの業態も旅館のように夕食込みでプランを提供するタイプや、宿泊と朝食をセットにするいわゆるBed & Breakfast(ベッド&ブレークファースト)をベースとしたビジネスホテルのようなタイプが存在します。近年は、リゾートホテルを中心に料金に滞在中の食事・ドリンク・プールやリラクゼーション等の施設利用料・アクティビティ料等を全て含めたAll Inclusive(オール・インクルーシブ)といった形態も存在します。


「コロナ禍をいかに乗り切るか」が目下最大の課題

新型コロナウイルス感染症拡大により、人の移動が制限されたため、ホテル・旅館業においては急激な市場の減少となったコロナ禍をいかに乗り切るかが目下最大の課題であると言えます。

ホテル・旅館業の多くは、顧客獲得をいわゆるOTA(Online Travel Agency)と呼ばれるような予約プラットフォームサイトに頼っていました。近年は、複数のOTAが存在し、宿泊に応じて手数料を支払う必要がある等のコストが、ホテル・旅館事業者の負担となっています。一方で、Google Mapが宿泊予約に対応する等、新しい予約の流れもできつつあります。

比較的大きな固定資産を抱えるビジネスであるため、人件費、清掃費、維持修繕に関する費用を上回る売上をどのように上げていくか、また、生産性を向上させることで費用負担をいかに抑えていくかを考える必要があります。いずれにしてもコロナ禍により大きな影響を受けているため、ワクチン接種等も含めて、今後の市場動向に注視が必要です。



ホテル・旅館業界で求められるM&Aと地域の事例

ホテル・旅館業界M&Aの主な目的

ホテル・旅館業界におけるM&Aの主な目的は以下のとおりです。

  • 不動産の獲得
  • 人材の確保
  • 新事業展開

ホテル・旅館業界のビジネスは不動産を核として行われており、企業価値の源泉の大半は不動産であることも多いです。そのため、M&Aの大きな目的の一つは対象企業が保有する不動産となります。いわゆる不動産M&Aのように、通常の時価より低い評価額で不動産を取得できるケースもあります。

(参考)不動産M&Aを解説!いま、注目される理由とは?

その他にも、サービス人材の獲得も目的の一つとなります。
加えて、ホテル・旅館業への新規参入を希望する企業の場合、改めて自社で宿泊業の許認可を得るのではなく、ホテル・旅館業を営む会社をM&Aすることで、グループの新事業としてホテル・旅館業界に新規参入が可能となります。


地域におけるホテル・旅館業M&A事例

穴吹興産(香川県)が祖谷渓温泉観光株式会社等(徳島県)を子会社化

2020年6月に穴吹興産は、徳島県で「和の宿 ホテル祖谷温泉」の運営等を行う祖谷渓温泉観光株式会社及び、同施設へのケーブルカーの運営等を行う有限会社祖谷温泉を子会社化しました。あなぶきグループは、香川県・岡山県においてホテル運営等の観光事業を展開しており、M&Aによる事業拡大となります。
(HP)https://anabuki-group.jp/anabuki/news/post-12.html

ひろぎんキャピタルパートナーズ(広島県)が「みやじまの宿 岩惣」運営会社へ出資

2020年7月に、広島銀行の投資専門子会社であるひろぎんキャピタルパートナーズは、広島県廿日市市にある「みやじまの宿 岩惣」運営会社である伊都岐観光株式会社へ出資をしました。岩惣は、1854 年創業であり、 160 年以上続く老舗旅館で、宮島を代表する旅館として有名です。新型コロナウイルスの影響を強く受けた同旅館を支援するための出資となりました。
(プレスリリース)https://www.hirogin.co.jp/ir/news/paper/news200730.pdf

小野写真館(茨城県)が「桐のかほり 咲楽(さくら)」(静岡県)をM&Aで取得

2020年10月に、フォトスタジオ、ブライダル事業等で事業を拡大していた茨城県の小野写真館は、M&Aプラットフォームであるビズリーチ・サクシードを通じて、河津桜で有名な河津町にある高級温泉旅館「桐のかほり 咲楽(さくら)」をM&Aで取得しました。同社は、株式会社ポーラスタァ(東京都)から「BABY365」等のフォトダイアリーアプリを事業譲渡する等、自社事業を軸にM&Aを上手く活用して事業領域の拡大を図っています。

(HP)https://ono-group.jp/profile/press/20201001/index.html

アパグループ(東京都)が「東北イン古川駅(宮城県)を買収

「アパホテル」のブランド名で知られるアパグループは、2021年4月宮城県大崎市の「東北イン古川駅前」を取得する株式譲渡契約を締結したと発表しました。同ホテルは「アパホテル宮城古川駅前」としてオープンしました。アパグループはコロナ禍においても積極的にM&A投資を展開しています。
(プレスリリース)https://www.apa.co.jp/newsrelease/155309


おわりに

ホテル・旅館業は、新型コロナウイルスの影響を強く受け、市場が減少している業界となっています。土地・建物等の不動産を所有するビジネスのため、固定費を賄うだけの売上をあげる必要があり、厳しいビジネス環境となっています。一方、コロナ禍においても、一部企業において、今後を見据えて不動産の取得や新事業展開を目的にM&Aが活用されている様子が窺えます。帝国データバンクの調査では旅館・ホテル業の後継者不在率は60.7%となっており事業承継におけるM&Aニーズの高まりも予想できます。コロナを経た今後の市場動向も含め、各事業のM&A戦略に注目が集まります。

当社では中国・四国地方を中心にM&Aのご支援をさせて頂いております。ホテル・旅館業を中心とした観光業も地域の経済の重要な産業であり、M&Aを通じて地域経済、地域のお客さまへお役立ちが出来るよう、微力ながら日々努めております。M&Aに関するご相談や、ご不明点等ございましたら、お気軽にご連絡下さい。

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クレジオ・パートナーズ株式会社のご紹介代表者 :代表取締役 李 志翔
所在地 :広島市中区紙屋町1丁目1番17号 広島ミッドタウンビル3階
設立  :2018年4月
事業内容:
 ・M&Aに関するアドバイザリーサービス
 ・事業承継に関するアドバイザリーサービス
 ・資本政策、企業再編に関するアドバイザリーサービス 等
URL  :https://cregio.jp/

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