広島県広島市に本社を置き、「地域になくてはならない会社」となることを理念として掲げ、贈り物・冠婚葬祭に関するサービスを多方面から提供する「進物の大進」。地域の老舗企業が挑む、デジタルを活用した「データ」と「サービス」の高度連携、それを実現するための経営戦略や求める人材像について、株式会社大進本店 執行役員/経営企画部長 山本 深氏、同社管理部 総務・業務課 係長 井原 憲二氏にインタビューしました。
「地域になくてはならない会社」を目指す、「進物の大進」
ライフイベントのファーストコールカンパニー、時代に合わせたモノ・コトを提供し続ける
「大進」は、1953年9月に創業し、2021年で68周年を迎えました。現在は、ギフト専門店を中核に、写真館、結婚式場、結婚相談所、結婚式場紹介、児童教育施設、生花販売、不動産、等多岐にわたる事業を地場密着で展開しています。創業当時は競合もたくさん存在し、営業マンを中心とした事業戦略を展開する会社が多い中で、当社は店舗型にシフトしていきました。贈答事業にも関わらずロードサイドに大型の店舗を出店するという当時は「逆張り」の戦略を取ることで、競合との差別化を図り、「地域でなくてはならない店になる、会社でなくてはならない人になる」を企業理念に掲げました。
現在は当社は広島、山口においてギフト専門店を18店舗展開し、冠婚葬祭、贈答関係の専門店として、地域の贈答文化のインフラとなるべく接客販売等を通じてお客様にサービス提供しています。贈答文化協会の教育プログラムを通じたギフトアドバイザーを育成し、一定の水準の知識を有した店員を全店に配備することで、高度な接客レベルを維持出来るよう取り組んでいます。
当社が提供するサービスは、お客様の人生の節目の行事=ライフイベント全般に関わっています。我々が目指しているのは、ライフイベントの際に「まずは大進へ行ってみよう!」と、お客様におっしゃって頂ける“ファーストコールカンパニー”です。その為に私たちが心掛けているのは、古くからのしきたりの意味や大切さを伝える事はもちろん、時代に合わせた商品(モノ・コト)を提供し、接客力・技術力・提案力を磨き、お客様に信頼されるサービスをお届けすることです。「大進に頼んでよかった」「大進に行けば何でも教えてくれるから安心」というお客様からの信頼のお言葉が、私たちのやりがいとなっています。
「お客様の声」に応えるための多様なサービスを展開、3代に渡り企業の歴史を紡ぐ
大進グループに共通するのは、“お客様の声を聞くこと”からお手伝いが始まるという事です。お客様にとって、人生の節目の行事(ライフイベント)は、結婚・出産・七五三・成人式・葬儀等、多数あります。そういったライフイベントのニーズに、ギフト・写真館・結婚式場・幼児教育・不動産と多角的にアプローチする事により、お客様の「知らないからやらなかったコト」を「知ったからやって良かったコト」に変える事ができます。
日ごろからお客様との会話を大切にしており、各グループ事業の中には「こんなことはできないの?」「あったらいいな」というお客様の声を拾う仕組みを社内に取り入れています。日々の日報に社員が目を通し、要望が多い内容については事業化できないか検討します。実際に、写真館や結婚相談所等はお客様の声から誕生した具体的な事業です。 お客様のニーズから事業が生まれ、その事業から新たなニーズが生まれるという良い循環の中で、お客様に育てて頂きました。グループ間の繋がりを活かす事で、より多くのお客様のご要望に応える事が可能となり、それが当社の強みとなっています。現在は、各事業の連携によって、より良い商品・サービスの相乗効果を発揮しています。今後も、私たちにできる新たな可能性を見つけ、「地域のお客様の役に立つこと」を第一に考え、更なる進化を目指します。
当社の経営を現在担っているのは、2代目である現社長 山本 茂樹です。若いうちに当社に入社し、実績を積んだ後に、創業40年のタイミングで経営をバトンタッチしました。時代的に経済成長が続いていたタイミングでもあり、ギフト専門店の企業基盤が安定していたので、比較的スムーズにバトンタッチすることができました。その後、当社は1990年代のいわゆるバブルが弾けたタイミングやリーマンショックも経験しましたが、過大な投資などをせず堅実経営を徹底して危機を乗り切ってきました。
ただ、今回の新型コロナウイルス感染症による経済危機は違いました。お客様の購買行動が変化し、来店出来ない事や冠婚葬祭のイベントが軒並み無くなったことで売上に少なくない影響が出ました。ちょうど同時期に、3代目の世代にあたる私(山本深氏)が大手商社から大進に戻り、経営改革に当たりました。コロナの影響もある程度は乗り切りましたが、現在の経営層の想像力が及ばない事態が訪れた時に、どのように対応すべきかと、危機感は継続して持ち続けています。
老舗地域企業の挑戦、デジタル化による「データ」と「サービス」の連携
「顧客データ」と「クオリティの高いサービス」、両方を保有する強み
当社は、広島・山口に根差し、これまでの事業で培ったノウハウやブランドを活かし、更にお客様に寄り添い、サービスレベルを高めていくことを目指しています。コロナによりお客様のライフスタイルが変化し、それに併せて当社のビジネスも変化しなければならない時代となりました。当社のビジネス基盤を強化することで、コロナ等による時代の変化にも頑強に耐えうる強固なビジネス群を構築し、お客様の幸せや悲しみに寄り添い続ける会社で在り続けたいと考えています。
より具体的にお伝えすると、当社はお客様のライフイベント全般に関わっており、ライフイベントに関するお客様のデータを保有し、お客様のニーズに応じたグループ各社のサービスを有していることが、当社の競合優位性となっています。お客様に関する「データ」と、求められる「サービス」、この2つを高いレベルで連動させていくことで、ギフト専門店及びグループ会社の商品・サービスの展開を実現すれば、現在の10倍以上のグループシナジーの創出が可能だと見込んでいます。
現在、特に新規に注力している分野は、「保育園の設立」「顧客管理体制の強化」「物流、EC、本社各種機能におけるシステム化を通じた効率化と連携強化」「結婚式場紹介機能の拡充」「不動産売買仲介」「既存商品群の拡充(ランドセル、ロールケーキなど)」等です。リアルの店舗で、「データ」と「サービス」が高度に連携するモデルを確立することで、エリアを問わないサービスの実現も視野に入れながら、事業にチャレンジして参ります。
デジタルを活用したマーケティングが課題
現在の当社における課題の一つは「マーケティング」です。店舗での接客販売については、一定の贈答に関する知識をスタッフが身に着け、高い水準でサービス提供を維持出来るよう努めています。我々が目指す次の段階は、高いサービスレベルを維持しながら、顧客情報をストック化し、データを活用したマーケティングを展開する必要があります。これまでの大進のマーケティングは、CM・ラジオ・チラシ・カタログDM等、マス・マーケティングを中心としたアナログな手法でした。組織において戦略を見直す中で、データベースを基にCRM(Customer Relationship Management:顧客管理)を強化することを決定しました。
マーケティングを戦略的に行うためには、多くの複雑な顧客情報を一元的に管理して、お客様に多面的にアプローチする為、デジタル技術の活用が不可欠となります。例えば、赤ちゃんを育てているママ世代へアプローチして、当社のお客様になって頂くためには、EC販売におけるUI・UXの向上や、当社の強みである店頭販売やグループ会社のサービスなどを提供し、シームレスな購買体験を実現していくことが課題となります。これらを実現するには、お客様の購買心理などをよく理解した上で、接客やオンラインでの販売チャネルの最適化などを実現するために、企画立案から実行までを手掛けられる人材が必要ですが、そういった人材は全グループ的に不足しています。
加えて、当社はライフイベントに関する様々な事業を展開しているため、事業領域が広いのも特徴です。グループ全体の運営方針を理解した上で、それぞれの事業領域を伸ばすことが出来る事業責任者も不足しています。長くお客様に寄り添ったサービス提供の実現を目指していますが、未だアナログな顧客管理が中心となっており、効率的にお客様にアプローチ出来ていないという課題があります。
様々な課題はありますが、本プロジェクトを強力に推進していくため、広島県庁にもご協力頂き、「小売業ECイノベーション支援プログラム EC D-EGGS」に採択されることとなりました。本事業を活用しつつ、今後は、顧客管理システムを開発し、デジタルを導入することで、よりお客様へ付加価値を提供していく体制を整えていきたいと考えています。
人やシステムへの投資を加速化、変革を牽引するリーダー・DX人材を求める
当社の雰囲気は、真面目で控えめで、お客様の心に寄り添う接客販売が好きな社員が多いのが特徴です。穏やかな性格の社員が多く、和気藹々とした雰囲気になっています。
当社が現在求めている人材像は2つです。1つは、変革を担えるリーダーです。各事業領域の責任者クラスや、店長、ブロック長など店舗において自ら周囲をリードし、仕事に対してオーナーシップを持ち、周囲をけん引していこうという気概を持った方を求めています。事業責任者だった方、管理部の経験がある若手の方等の人材を歓迎しています。
もう1つは、デジタル化を牽引できる人材です。今後、デジタル導入を強化するため、EC・情報システムの部署でのフロントやバックエンドのシステム開発のディレクションの経験がある方、プログラマー(使用言語:php、javascript、html、css等)の方がいらっしゃれば、積極的に採用したいと考えています。
当社は、これまで、固定資産に対する投資に偏重する傾向にありました。今後は、人やシステムに対する投資を惜しまず、積極的な事業展開に寄与できる人材を採用し、そういった人材が生き生きと働ける環境を構築していくことを目指しています。デジタル化やコロナウイルスの感染拡大など、社会の変化のスピードが早く、激しくなっていく中で、当社グループも変化が求められており、変化しなければ10年後、20年後に生き残れないという強い危機感を抱いています。
ちなみに現在総務・業務課で採用を担当している井原も私(山本氏)が直接口説いて採用に至りました。会ったすぐさま、当社において必要なスキルを持っている人材だと感じたので、その場で経営陣を説得し、当社の改革に参画して頂きました。現在、当社は創業家2代目が経営を指揮していますが、高齢化が進む中で代替わりのタイミングを迎えています。そのような中で、力強く、また忍耐強く、変化をリードしながら会社を変化させていく必要があり、一緒に変化を楽しんで頂ける仲間が必要です。 実は当社は現在のように中途採用を一気に採用しているのはこの60年なかったことです。経営に関わる私が直接面接することで、スピード感を持って対応しています。当社に参画頂く方には、グループでの経験を通じて、どのような環境においても、自ら主体的に考え、周囲を巻き込み、行動できる人材になって欲しいと考えています。実現するためには、高い倫理観と論理性、主体性と実行力が求められると思いますが、数十年に一度の大きな変化の波の中で挑戦する場所として、一緒に前に進んで欲しいと考えています。
会社を共に変えていく、地域から新たなライフサイクルビジネスの創出を
執行役員/経営企画部長 山本 深氏
会社に何を求めるかではなく、会社をどう変化させていく事が出来るか、という主体性を持った人を求めています。私は、その人しかできないことを最大化して、その人がやるべきことができる環境を用意することが大事だと感じています。その環境が「大進」でありたいと考えています。 会社の名前や肩書ではなく、個としてどこに行っても戦える人が強い集団となることが必要です。当社に参画頂ければ、細かく指示をすることはありませんが、やるべきことはたくさんあります。当社は対消費者のビジネスなので、コンプライアンスの遵守には細心の注意を払っており、業務に真面目に取り組む人材が揃っています。安定した財務体質と、当社が培ってきたノウハウやブランドを活用し、積極的にチャレンジしようと思って頂ける方と共に成長していきたいと思っています
管理部 総務・業務課 係長 井原 憲二氏
当社は「地域になくてはならない店になる、会社になくてはならない人になる」という企業理念を掲げています。正に今が会社の変革の時期であり、全社的にその方向性を向いているので、自分を磨くチャンスであることは間違いありません。普通、成熟した会社ではこのようなチャンスは回ってきません。ただ、当社であれば自ら掴みにいけます。サポートする体制も整っています。私自身が、総務・業務課の所属となっていますが、会社が成長するために必要であれば、どんな業務にも関わっています。私が入社を決めたきっかけの一つは、山本部長の裏表のなさです。やりたいことも、今できていないことも率直にお話して頂けました。会社を成長させるために、何にでもトライできる環境ですので、自ら考えて行動出来る人、会社の変革期に飛び込んで変化に挑戦したい人、ライフサイクルに関わるビジネスモデルの構築に携わりたい方は是非にお気軽にご連絡ください。
>>大進グループの採用に関する情報はこちら
企業情報(2021年12月末時点)
会社名 | 株式会社大進本店 |
代表者名 | 代表取締役社長 山本 茂樹 |
創立年 | 1953年9月 |
従業員数 | 541名(グループ)(パート含む) |
売上高 | 76億6510万円(グループ) |
資本金 | 7,000万円(グループ) |
事業内容 | 進物・記念品の総合商社 |
本社所在地 | 広島市中区鉄砲町1-15 |
HP | https://www.daishin.gr.jp/ |
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クレジオ・パートナーズ株式会社のご紹介代表者 :代表取締役 李 志翔
所在地 :広島市中区紙屋町1丁目1番17号 広島ミッドタウンビル3階
設立 :2018年4月
事業内容:
・M&Aに関するアドバイザリーサービス
・事業承継に関するアドバイザリーサービス
・資本政策、企業再編に関するアドバイザリーサービス 等
URL :https://cregio.jp/
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