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山口県のM&A・事業承継事例|休廃業・倒産状況・後継者不在率まとめ

山口県M&A事例まとめ

山口県では、製造業を中心とした地域経済が発展してきましたが、近年は後継者不在率が全国3位と高く、M&Aや事業承継(後継者募集)の必要性が急速に高まっています。

実際に、県内では休廃業・倒産件数が一定数発生しており、経営環境の変化が企業存続の大きな課題となっています。

本記事では、山口県の経済概況・産業構造・休廃業・倒産件数の動向をデータで整理しつつ、全国との比較で見た後継者不在率の現状をわかりやすく解説します。

また、実際に山口県で行われたM&A事例(事業譲渡・事業売却・会社譲渡)も紹介し、山口におけるM&A動向を総合的にまとめています。

山口県の経済概況|産業構造と成長分野

山口県は、2022年度(令和4年度)の名目県内総生産が6兆3,062億円であり、成長率は前年度比0.7%増と2年連続でプラス成長を維持しています。

生産面では、製造業を中心とした第2次産業の比重が高い工業型の産業構造が特徴です。一方で、農業・林業・漁業などの第1次産業は県内総生産に占める割合が1%未満と小さく、生産額は天候や品目動向の影響を受けやすい状況が続いています。

山口県の人口は約126万人(2025年12月1日時点)であり、産業の特徴は、瀬戸内海沿岸部を中心に化学工業を中心とした製造業が発達しています。化学だけでなく、輸送用機械、医薬品等のメーカーも工場を立地しています。

県庁所在地である山口市、九州経済圏と近接している下関市、歴史観光で注目を集める萩市、山口大学のキャンバスがある宇部市、化学産業が盛んな防府市・周南市等、一極集中ではなく、分散型の都市を形成しているのが山口県の特徴です。

山口県の倒産件数・休廃業件数の推移

年度 倒産件数(法的整理) 休廃業・解散件数
2018年 78件 595件
2019年 58件 564件
2020年 57件 530件
2021年 45件 524件
2022年 34件 561件
2023年 57件 577件
2024年 73件 735件

参照:参照:帝国データバンク-山口県「企業の休廃業・解散動向調査(2024年)」

山口県は、倒産(法的整理)が増減しながら推移する一方で、休廃業・解散(個人事業主を含む)は2022年以降増加基調が強まり、2024年に大きく跳ね上がっています。

特に2024年は、休廃業・解散が735件と前年から大幅増で、倒産(73件)の約10倍規模となっており、「資金繰りで倒れる前に、事業をたたむ(あるいは解散する)」退出が増えている構図が読み取れます。

山口県の後継者不在率は全国19位

調査年 後継者不在率 全国順位 備考
2018年 75.0% 5位 全国でも最上位クラスの高水準
2019年 74.7% 3位 深刻な高止まりが続く
2020年 75.3% 3位 コロナ禍で不在率がさらに上昇
2021年 71.0% 7位 依然高水準だが改善の兆し
2022年 65.3% 8位 承継検討の進展で大きく改善
2023年 60.3% 12位 6割台まで低下し改善が定着
2024年 56.4% 17位 改善基調が継続
2025年 53.4% 19位 全国平均との差が縮小

参照:帝国データバンク-山口県「後継者不在率」動向調査(2025年)

2025年の山口県の後継者不在率は53.4%、全国19位です。

山口県の後継者不在率は、2018年から2020年にかけて75%前後と非常に高い水準で推移しており、全国でも上位に位置する深刻な状況が続いていました。特に2019年から2020年にかけては全国3位以内に入る水準となり、事業承継が十分に進んでいない県の一つであったことがうかがえます。

その後、2021年以降は数値が一貫して低下し、後継者不在率は改善傾向に転じました。2022年には65%台まで下がり、2023年以降は6割を下回る水準にまで改善しています。2025年には53.4%となり、全国順位も19位まで後退しており、他地域と比べて相対的な深刻度は和らいできています。

もっとも、後継者不在率が5割を超えている点は依然として重い課題です。改善は進んでいるものの、半数以上の企業で後継者が決まっていない状況は変わらず、親族内承継に限らず、第三者承継やM&Aを含めた早期の検討が求められる局面にあるといえます。

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山口県のM&A・事業承継の事例一覧

山口県の地域経済において、事業承継や成長戦略の観点から注目されるM&A事例をまとめました。

事例①医療法人社団葵会が医療法人水の木会から事業譲受

(2019.6発表)広島発祥で全国に病院・老人介護施設等を展開する医療法人社団葵会(東京都)が、医療法人水の木会(山口県下関市)が下関市で運営する江藤病院の事業を譲り受け、「あずま病院」に名称変更が行われました。同業同士の事業譲渡事例です。

事例②みどりHDが山口調理機を子会社化

(2019.1発表)不動産事業、介護・保険事業、フード事業等を展開するみどりホールディングス(広島県広島市)が、厨房機器販売・保守管理業を営む1975年創業の山口地域有数の企業である山口調理機(山口県防府市)を子会社化しました。両社の事業シナジーを意識した地域でのM&A事例です。

事例③穴吹ハウジングサービスがプランドゥより事業譲受

(2019.4発表)穴吹興産の親会社であり、マンション管理を行う穴吹ハウジングサービス(香川県高松市)が、施設管理業・飲食業を展開するプランドゥ(山口県下関市)から、山口・北九州のマンション管理業務を譲り受け、事業を拡大しました。

事例④カシワバラ・コーポレーションがDRONE PILOT AGENCYへ出資

(2020.7発表)山口県岩国市と東京に本社を置き、建築・修繕メンテナンス事業等を展開するカシワバラ・コーポレーション(山口県岩国市/東京都)が、建設系ITスタートアップに投資するプロジェクト「JAPAN CON-TECH FUND」を通じて、設備点検・災害対策・警備監視の領域を中心に社会インフラDXのリーディングカンパニーを目指すセンシンロボティクスへ出資しました。地域大手企業が最先端のテクノロジーを持つスタートアップ企業へ投資を行ったマイノリティ出資事例です。

山口県のM&A・事業承継動向の展望

山口県におけるM&A・事業承継は、「後継者不在の解消」という従来の課題対応に加え、事業構造そのものを見直す手段としての重要性が高まっています。

2024年は休廃業・解散件数が735件と大きく増加し、倒産件数(73件)を大きく上回りました。これは、業績悪化だけでなく、経営者の高齢化や将来不安を背景に、早期に事業継続を断念する企業が増えていることを示しています。

後継者不在率は2025年に53.4%まで低下し、かつての深刻な水準からは大きく改善しました。しかし、依然として半数以上の企業で後継者が決まっていない状況は変わらず、親族内承継だけで対応するには限界がある地域であることも明らかです。特に、建設業、サービス業では、人材不足と経営者高齢化が同時に進行し、第三者承継の必要性が高まっています。

山口県のM&Aの特徴は、製造業や医療・介護分野を中心とした「事業承継型M&A」に加え、地域大手企業によるスタートアップ投資や事業拡張を目的とした資本参加など、多様なスキームが見られる点にあります。単なる会社売却ではなく、技術・人材・地域インフラを次世代につなぐ手段として、M&Aが活用され始めている点は注目すべき動きです。

今後の山口県では、事業を「たたむか」「引き継ぐか」という二択ではなく、M&Aや資本提携を含めた複数の選択肢を早期に整理できるかどうかが、企業の将来を大きく左右する局面が増えていくと考えられます。

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山口県でM&Aの成功には早期相談が鍵

山口県では休廃業・解散の増加が顕著となり、黒字であっても将来を見据えて事業継続を断念するケースが目立つようになっています。こうした動きは、地域経済にとって静かだが確実な構造変化といえるでしょう。

後継者不在率は改善傾向にあるものの、2025年時点でも53.4%と、依然として多くの企業が「次を託す相手」を見つけられていません。これは、事業承継が一部の企業だけの課題ではなく、山口県全体に共通する経営テーマであることを示しています。

重要なのは、選択肢が限られてから動くのではなく、余力があるうちに将来像を描くことです。山口県におけるM&A・事業承継は、企業の終点ではなく、次の世代へ価値をつなぐための「経営の再設計」として、今後さらに存在感を高めていくはずです。

クレジオ・パートナーズは広島を中心に、中国・四国地域で多数の支援実績を持つM&A専門コンサルティング会社です。「まずは相談だけ」「会社の価値を知りたい」「引継ぎの選択肢が知りたい」といった段階でもご相談いただけます。

クレジオ・パートナーズ株式会社広島を拠点に、中国・四国地方を中心とした地域企業のM&A・事業承継を、仲介およびアドバイザリーの両面から支援しています。資本政策や企業再編のアドバイザリーにも強みを持ち、地域金融機関や専門家と連携しながら、中小企業の持続的な成長と後継者募集をサポート。補助金や制度活用の知見も活かし、経営者に寄り添った伴走型の支援を提供しています。
URL:https://cregio.jp/

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