コロナ禍の不動産市場と事業承継における不動産を議論！「不動産M&Aセミナー」開催レポート　

クレジオ・パートナーズ株式会社は、三菱地所リアルエステートサービス株式会社との共催により、広島商工会議所（広島市）において、2021年7月14日（水）に「不動産M&Aセミナー －コロナ禍における不動産市場の動向とM&Aの活用－」を開催しました。新型コロナウイルス感染症拡大により、不透明になった不動産市況に加え、事業承継における不動産M&Aに関する論点についてご説明しました。不動産や事業承継に関心を持つ約50名の経営者、金融機関等の皆さまにお集まり頂きました。

講師のご紹介

三菱地所リアルエステートサービス株式会社

関西支店　鑑定部関西鑑定課　
不動産鑑定士・不動産証券化協会認定マスター　勝本 光治
中国支店　流通課　　　　　　
宅地建物取引士・AFP（日本FP協会認定）　　 広瀬 健太郎

クレジオ・パートナーズ株式会社

セミナー概要

コロナ禍における不動産市況

地価動向の概要について

三菱地所リアルエステート　勝本 光治氏（以下、勝本氏）から「リーマンショックとコロナ禍における不動産市況の違い」「各種指標の動き」「全国の地価の動向」等について説明がありました。

「リーマンショックは金融から、コロナ禍は実態経済から不動産市況に影響が広がりました。全国地価公示で上昇したのは、外資の流入と再開発が原因であり、逆に下落したのは災害とコロナによるインバウンド観光客の減少でした。コロナ禍以降はアセットによる優劣が明確となり、不動産市場は大きく崩れることはないが、二極化が進むと考えられます。」（勝本氏）

広島エリアの不動産動向について

続いて、同じく三菱地所リアルエステート　広瀬 健太郎氏（以下、広瀬氏）より、「広島市内の開発情報」「広島市の地価・市場動向」「不動産売買におけるソリューション事例」について説明がありました。

「広島市内では複数の再開発事業が計画されていますが、これらの再開発が進むと、市内中心部の老朽化したビルは空室が発生するリスクがあります。広島市内では、中心部はインバウンド・路面店撤退等により地価が下落していますが、周辺は上昇しています。元々広島市は収益不動産が多く、保有目的が多いため、参入障壁が高い地域です。コロナ前まではオフィス・マンション・ホテルの三者が競合して市況を押し上げていましたが、今後はマンションデベロッパーが相場の下支えとなることが予想されます。不動産取引については、コロナ禍の影響は少なく需要は継続する考えられますが、業種による優劣が鮮明になると考えられます。」（広瀬氏）

不動産M&Aが注目される理由、活用方法と留意点

クレジオ・パートナーズは中国・四国地域のM&A・事業承継の課題解決に取り組んでおり、事業承継の中ではよく不動産が論点に挙がります。代表の李より、「相続における不動産」「売り手にとっての不動産M&A」「買い手にとっての不動産M&A」について事例を交え、説明しました。

「不動産は税制面で相続対策の効果を持ちますが、不動産投資の目的は、あくまで『安定収益の確保』と『資産の増加』であり、税効果は副次的な『結果』です。目的を見誤ると、相続税評価の否認を受ける可能性もあります。不動産M&Aとは『不動産を所有する会社の株式を第三者に売却すること』であり、資産承継・相続の面では、お子さん達に、不動産・会社を残さず、現金等を（公平に）残しやすくする手段にもなり、『継ぐ資産』『売る資産』を分けて考えておくことも必要です。買手にとっては、不動産M&Aでは、不動産取得税・登録免許税・消費税がかからず、時価より低い評価額で不動産を取得することができる等のメリットがある一方、会社をそのまま引き継ぐため、通常の不動産売買と異なり、簿外債務等のリスクや、財務・法務面の調査が必要等のデメリットも存在します。いずれも日頃から不動産・相続税・譲渡税・事業承継に詳しい専門家から情報収集しておくことをおススメします。」（李）

最後に…

当日は、多数の方にご参加頂き、誠にありがとうございました。
今回は「不動産市況」「不動産M&A」をテーマに、不動産のスペシャリストである三菱地所リアルエステート社ご協力のもと、全国・広島県の不動産の動向についてご説明頂き、当社からは現在注目されている不動産M&Aについてご説明しました。多数のお申込みからも「不動産」について大きな関心を寄せている様子が窺えました。当社は引き続き、地域経営者の皆さまへセミナー・イベント等を通じてお役に立つ情報提供を行ってまいります。
今後ともよろしくお願い致します。

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