地域建設業の未来を考える―M&A・事業承継セミナー in 岡山を開催しました
2021年3月2日、クレジオ・パートナーズ株式会社は、岡山商工会議所(岡山市)にて「地域建設業における戦略的M&A・事業承継セミナー in 岡山」を開催しました。
当日は、地域の建設会社の経営者、金融機関、行政関係者など約15名の皆さまにご参加いただき、業界特有の課題とその解決策について、活発な議論が行われました。
本レポートでは、セミナー内容の要点や議論の背景、参加者から寄せられた質問などを整理してお伝えします。
講師紹介

土井一真
クレジオ・パートナーズ株式会社
常務執行役員
石川県金沢市生まれ。松山・名古屋・大阪育ち。高校卒業後、闘病生活の末、21歳で公認会計士試験に合格。その後、東京で上場準備企業の財務責任者を経て、山田FAS株式会社(現・山田コンサルティンググループ株式会社)へ入社。同社では主に広島支店にて、中国・四国・九州等の広域でM&Aに関わる。2018年に当社立ち上げに参画。日本全国で建設業M&Aを多数担当。
地域建設業が直面する構造的な課題とは
セミナー冒頭では、地域建設業における経営課題が整理されました。
高齢化が進む建設業の概況と建設業における具体的な課題に加え、岡山の地域特性も踏まえ、買手企業がM&Aに取り組む狙いや戦略について、これまでの実績に基づき説明しました。
建設業における具体的な事例
当社実績の3つの事例をもとに、それぞれの経営者がM&Aに取り組んだ背景や経緯、M&Aを進める中での心情の動きを含め、建設業M&Aの実態や、M&Aを進める上で気を付けるべきポイントについて説明しました。

建設業M&Aよくある失敗例とその教訓
セミナーでは「M&Aにおける情報管理の重要性」「社内へM&Aを説明するタイミング」「価値基準の重要性」という3つの視点で、具体的にあった失敗事例をもとにM&A取引を進める上での注意点について説明しました。具体的には次のようなケースです。
- 情報が社員に漏れ、社内に不安が広がってしまった
- 顧客への説明タイミングを誤り、受注減につながった
- 企業価値の認識のズレによって交渉が難航した
- 経営者が退任後の役割を曖昧にしたまま進めてしまい、PMI段階で混乱が発生した
こうした失敗は、事前準備や専門家によるサポートで大きく防ぐことができるため、早い段階で相談することの重要性が強調されました。
参加者との質疑応答
セミナー終盤では、多くの質問が寄せられ、参加者の課題感が明確に現れました。
- 「地域で買い手を探すことは可能か?」
- 「社員が辞めないようにするにはどうすればよいか?」
- 「会社を継いだ後の経営体制はどう整えるべきか?」
- 「建設業の企業価値はどのような指標で決まるのか?」
いずれの質問にも、実務経験を踏まえた具体的な回答が行われ、参加者からは「現場目線でわかりやすい」「実務で役立つ内容だった」といった声が寄せられました。
まとめ ― 地域建設業の事業承継は「地域の未来づくり」
当日は、お忙しい中、会場までお越し頂き、誠にありがとうございました。
今回のセミナーを通じて、建設業の事業承継は単なる企業間の取引に留まらず、地域経済やインフラを持続させるうえで重要な取り組みであることが再確認されました。
クレジオ・パートナーズは、今後も地域建設業の持続的発展に向けた支援を続けていきます。事業承継やM&Aに関するご相談がある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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